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78歳のイーゴリ・ブルツェフさんは、若かりし日からイエティを探して世界中を旅し、ゴミノロギヤ研究センターを創設した。ゴミノロギヤとは、ヒト科の古代残存生物、つまりはイエティが存在するという、理論的な可能性を研究する科学のことである。ブルツェフさんは自宅の一部に雪男の肖像画や足跡などのコレクションを展示するほか、ガレージに膨大な雪男コレクションを保管している。
研究は世界中の専門家と協力しながら行われており、先日もブルツェフさんの著書がドイツで出版された。イエティ伝説は世界中にあるが、ブルツェフさんによれば、イエティ研究が最も進んでいるのはアメリカだという。田舎でも住宅同士が近い距離にあるロシアと違って、アメリカの場合は隣の家が目で見えないくらい離れていることも珍しくない。そういった家の広大な敷地では、よくイエティが夜の間に散歩しているそうだ。住民の方も慣れたもので、「これは誰々の足跡」と見分けがつくのだという。
イエティは基本的にロシア全土にいると考えられているが、イエティの最大のメッカはシベリアのケメロヴォ州だ。2011年、ロシアのケメロヴォ州で開かれた国際会議では、95パーセントの確率でロシアにイエティが存在しているとの結論が出された。ケメロヴォ州のアマン・トゥレーエフ知事も、イエティの存在を信じ、全面的に協力している。ただ、トゥレーエフ氏はすでに20年以上も知事職にあるため、新知事が就任した暁に果たして行政の協力が得られるのか、懸念されている。
ロシア科学アカデミーはイエティの存在に否定的なので、ゴミノロギヤ研究センターには国からの補助金などは一切出ていない。世界中のイエティ取材班がブルツェフさんにサポートを求めてやってくるので、主にその謝礼のおかげで研究を続けていけるのだという。ブルツェフさんはこの夏もアメリカに調査研究へ行く予定だ。
つい先日、日本からのテレビ取材班もケメロヴォ州のクズバスを訪れ、ブルツェフさんとともにイエティの捜索を行った。その様子はロシアの国営テレビでもニュースになった。現場で番組制作に関わった日本人取材班は、極寒の雪山でテントに宿泊するという過酷な環境に耐えながら取材を全うした。
取材中の食生活に関しては、「薄味だったけれど、雪山で食べるスープが美味しかった」「ラードの塩漬けは一度食べたら止まらない」「おかゆが甘かった」などの声があった。
番組ディレクターの安井さんは、ブルツェフさんについて次のように話してくれた。
「とても真面目で研究熱心な方です。気さくで、好々爺でした。イエティは必ずいるという信念には感心しました。彼の話を聞くうちに、本当にイエティはいるのでは…という気持ちになりました。ただ、イエティは時空を超えられる、浮遊できる…と、何でもありな感じには、若干「?」マークがつきますが。でも、いるいないより、いてほしいという気持ちが芽生えました。イエティは夢を与える生き物なのだと。」
この模様は、2018年3月7日(水)TBS放送の番組「ヤバいよ!怪奇探偵団」で放送される。ジャニーズアイドルの塚田僚一さんが、イエティが棲むという巨大な洞窟へ向かい、マイナス30度の雪山でテントに宿泊してイエティの出現を待つというストーリーだ。