メイ首相:対ロシア関係の「新たなテンプレート」は最後通告

元国家情報総局大佐のセルゲイ・スクリパリ氏への毒薬投与にロシアが関与しているかもしれないという想定を受けて、メイ首相が公式に行ったモスクワへの最後通告は時期尚早であった。この最後通告によると、ロシア側はこの事件について、もっともらしい弁明しなければならないという。さもなければ、ロンドンはソールズベリーでの事件を、ロシアによる英国への違法武力行使だと見なすというのだ。
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5カ国によるロシア外交官追放計画が報じられる
メイ首相の発言は、英露関係において前例を見ないものである。なぜなら無罪推定ではなく、疑念と最後通告のみが対ロシア関係の新たなテンプレートになっているからだ。メイ首相の言い分のひとつは、毒殺未遂に使用された毒物がソ連で製造されたというものだ。

英政府はスクリパリ事件について、証拠も提示していなければ、正式な問い合わせも行なっていない。あらゆる協力の呼びかけを不明瞭な口実で拒否しつつ、おそらく、ロシアが「悔悟」することをのみ期待しているのだろう。

これにはセルゲイ・ラヴロフ外相が即座に反応した。外相はセルゲイ・スクリパリ毒殺未遂事件について次のようにコメントした。「英国は、自分たちがロシアを疑っているということが、世界レベルで「証拠の女王」と捉えられて然るべきだと考えている。しかし、具体的な事実を提示しないのであれば、 英国は国際世論を誤解に導こうしたあからさまな試みの責任を取ることになる。」

ロシアが推定無罪を主張するためには、どのような国際法に準拠すればよいのか、政治学者でロシア政府付属金融大学政治学部准教授のゲヴォルグ・ミルザヤン氏は次にように語る。

「この場合、訴訟を起こす必要があると思います。これが、世界中のすべての人々に共通する国際法の規範、即ち、証拠がなければ、罪も罰もあり得ないという規範を主張する唯一の合法的手段です。こうすることで、今後、テリーザ・メイ首相の行動(制裁、資産凍結)を違法なものとして、法律を通じて、法的に訴えることができるようになります。なぜなら、事実、メイ英首相の行動は、国際社会がひとつの国家に対して誤解を抱くように導いているからです。しかも、彼女の行動の基盤にあるのは憶測でしかなく、証拠文書でも具体的な実行者でもありません。殺人にカラシニコフ銃が使われたからといって、ロシアのせいだということにはなりません。そのような考え方は馬鹿げています。だからこそ、ロシアは現在の国際情勢を波風立てずにおさめることはできないのです。そんなことをすれば、事実上、ロシアに対する新たな行動ルールを自ら定着させ、今後も欧米が何の証拠もなくロシアをあらゆる罪で非難し、一方的に対ロ制裁を発動するのを許すことになっていまいます。」

現在、英国政府はスクリパリ事件を根拠に、対ロシア経済戦争の計画を立てていることを隠していない。

The Independentが伝えるところによると、情報筋は「これは経済戦争で、これは経済的措置になるだろう。ロシア経済は英国経済の2分の1の規模であり、そのほとんどが一握りの人間の手に収められている。ロシアがこのままの状態を継続させることを望むのであれば、我々はロシア経済がさらに縮小するようにせざるを得ない」と語ったという。

このほか、英政府は23人のロシア人外交官を国外追放した。また、英国の高級官僚と王室はロシアで開催されるサッカーワールドカップへの渡航を拒否している。

一方で、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が述べたところでは、ロシアメディアにも、外国メディアにも、ロシアがスクリパリ事件に関与する動機がないこと示す論拠は数多くあったという。しかし、それらはロシア嫌悪キャンペーンの継続を望む人々の手中にあった可能性がある。このように外相は協調した。

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