スプートニク日本
京都大学のRafaela Takeshita研究員は、「我々の観察は、温泉がサルにとって寒さから逃れるだけでなく、冬に関連するストレスを取り除く助けにもなっており、このことは全体として人間にも当てはまる特徴だということを示している。スノーモンキーのこの独特の特徴は、生態の柔軟性がどのようにして、極めて寒冷な気候において生き残る助けとなるのかを目に見える形で示すこととなった」と述べている。
Takeshita研究員と同僚らは、地獄谷野猿公苑の敷地に生息する雌およそ12匹の生活を観察した。研究者らはサルの糞のサンプルを収集し、その中の「グルココルチコイド」と呼ばれるストレスホルモンの水準を測定した。
観察が示したところでは、サルが実際に温泉を暖を取るために利用し、特に寒い数週間には、より頻繁に「風呂」を訪れてより長い時間をそこで過ごしていた。その上、毎回入浴後には血液中のストレスホルモンの水準が目に見えて低下し、このことは支配的な雌だけでなく、従属的な雌にも当てはまる特徴だった。
興味深いのは、入浴動作がサルをとてもリラックスさせたため、非常に多数の観光客に対してサルが注意を払わなかったということだ。この時のストレスの水準は、休日に記録された指数と比べて大きく異なることはなかった。