さらにもう1人の韓国元大統領に厳しい起訴 なぜこのようなことが起こっているのか

さらにもう1人の韓国元大統領が、長い年月投獄される危機にさらされている。2008年から13年にかけて統治者の地位にあった李明博元大統領に対し、検察庁が汚職と国家資金横領の罪で起訴したのだ。「なぜ韓国では次々に大統領が告発されるのか」という問いに、ロシア科学アカデミー極東研究所のコンスタンチン・アスモロフ主任研究員が答えた。
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今回の出来事は、2013年から16年にかけて国を指導した朴槿恵前大統領が24年間の投獄を宣告された3日後に起こった。大統領の職は依然として、韓国で最も危険な職業の一つのままだ。1980年以来、国家の最高ポストを占めた8人の政治家のうち3人が投獄を宣告されている。李明博元大統領の兄も同様だ。元大統領3人は親戚が投獄され、1人は自殺している。

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李明博元大統領は、フェイスブックの自らのページで公表されたメッセージの中で、「検察庁による起訴の合法性を私は認めない。検察庁は現政府の操り人形となっており、捏造されたシナリオに従っている」として、「韓国の輝かしい歴史と合法性を失墜させる政府による行動に、私は強い怒りを覚える。国を守っていただきたい!」と述べている。この発表を書いたのは李明博元大統領の弁護士で、76歳の政治家自身は3月22日から勾留されている。

この国では、公金を着服した政治家は、殺人犯よりも厳しい待遇を受ける。韓国における殺人罪での平均刑期は12年である一方、有罪と認められた大統領は普通、20年から終身刑、あるいは死刑の判決さえ受ける。

民主主義諸国にとって稀なこのような状況は、韓国に固有の政治文化の結果であると、アスモロフ主任研究員は考えている。「韓国では、党派間闘争が事実上、国技になっている。権力の座に就く左派の大統領が、右派の前任者に対して訴訟手続きを開始し、反対のことも起こる」とアスモロフ主任研究員は話す。「一方で、事実上あらゆる人を汚職の罪で投獄することができる。権力の座に就く大統領は、多数の人々に対し借りがあると分かり、広大な庇護のネットワークにすがることを余儀なくされるのだ」。アスモロフ主任研究員の話では、文在寅現大統領も、自らによる統治が終わった後に投獄される可能性があるという。

もっとも、アスモロフ主任研究員の指摘によれば、李明博元大統領にとって全てはまだ終わっていない。アスモロフ主任研究員は、「先日有罪判決を受けた朴槿恵前大統領は体系的構造の外にいたため、簡単に降伏したが、李明博元大統領は熟練した政治家で、最後まで闘うだろう」と説明している。

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