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鹿野大佛は、東京都多摩郡日の出町にある宝光寺の墓に埋葬されている故人の平穏を守っている。巨大で堂々とした鹿野大佛は、奈良県東大寺の大仏と鎌倉の高徳院の大仏と並んで日本三大座佛の一つに加わった。
鹿野大佛の像の高さはおよそ12メートルで、奈良の大仏より約3メートル低い。なお台座などを含めると18メートルとなり、耳は2メートルもある。
鹿野大佛
© 写真 : Anastasia Fedotova
大仏の建立は、宝光寺の先代住職が発案したものだが、現住職の八坂良秀(64)さんは2011年の東日本大震災で友人を亡くし、大仏建立の必要性をさらに強く確信したという。八坂住職は、大仏が同地域に平和や平穏をもたらすと考えている。また観光客が訪れることで日の出町のインフラも活性化するとみられる。アクセスは困難ではあるものの、この新しい大きな大仏が観光名所に含まれることを疑う理由はないからだ。
大仏の建立が始まったのは2013年。山形市で鋳造され、2017年秋に現在の場所で組み立てが始まった。
鹿野大佛
© 写真 : Anastasia Fedotova
寺の職員は「鹿野大佛」という名前について、「鹿野とは、お釈迦様が悟りを聞いたあと、初めて教えを説いた聖地とされています」と語っている。また宝光寺の裏手の丘の名前も、鹿野だという。
建立作業はまだ完了していないが、4月11日の公開日には赤ちゃんから車椅子に乗ったお年寄りまで大勢の人が訪れた。松林を通って大仏までたどり着くと、そこからは近傍の素晴らしい景色が広がっている。この日は訪れた人たちの帽子が飛んだり、カメラさえも手から吹き飛ばされそうになるほどの強風が吹いていたが、誰もが口元には穏やかな微笑みを浮かべていた。