ロシアからこんにちは! 切り絵画家・高橋ユタカさん【動画】

芸術家は独特の雰囲気を持っている。それをオーラというのだろうか。強いオーラを放つ芸術家は、周囲の人を別世界へ連れてゆく。先日モスクワを訪れた岐阜県在住の切り絵画家・高橋ユタカさんもそんな芸術家の一人だ。
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高橋さんはモスクワで開かれた大規模な日本文化フェスティバル「HINODE」に招かれ、切り絵の似顔絵を制作したり、ワークショップなどを開いた。

高橋さんはこれまでに海外ではロシア極東ハバロフスクやマレーシア、バリなどで個展を開催したり、ニューヨークでイベントに参加したり、パリやホーチミンなどで切り絵のパォーマンスを行ったり、また「JOCオリンピック協会」や「ユニクロ」などとコラボレーションするなど、国内外で幅広い活躍をされている。

画家がその思いを込めて制作した作品が発表される個展では、その画家の芸術世界を堪能することができる。一方、今回のようなイベントでは、芸術家と直接接することができる。「HINODE」の観客たちは、高橋さんが切り絵の似顔絵を制作する過程を間近で見たり、ワークショップに参加して本物の芸術家の指導を受けながら実際に切り絵を体験することができた。

高橋さんの似顔絵は「似ている」だけではない。高橋さんがその人物から感じ取った「その人らしさ」が表現されている。切り絵の似顔絵を制作してもらったロシア人は、「自分はこんな表情をしているんだ」などと新鮮な驚きを覚え、卓越した技術によって形となった自分の姿に感動していた。

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また切り絵のワークショップでは、参加者全員が高橋さんの世界に引き込まれた。参加者のほとんどが切り絵は初めてだった。ロシア人たちは「自分にできるだろうか」とはじめは緊張した面持ちだったが、高橋さんの指導を受けながら夢中になって切り絵制作に取り組んだ。そして作品が出来上がると同時に笑顔があらわれ始めた。お母さんと一緒にワークショップに参加した男の子は、一つの作品が出来上がるたびに「きれいだねー」と喜んでいた。あっという間にワークショップの1時間が経過した。ワークショップは笑顔でいっぱいになったところで、おひらきとなった。恐らく参加者たちは、この1時間は「余計なこと」を考えなかったのではないかと思う。人は大なり小なり問題を抱えているものだが、参加者たちは自然に高橋さんの世界に誘われ、全く新しい感覚を体験することで日ごろの煩わしさを忘れ、気持ちをリフレッシュできたような気がした。そしてもちろん、日本の芸術家に直接教えてもらえることを喜び、感謝していた。

芸術家ならではの鋭さと、あらゆる体験を「面白い」と捉える柔軟さを兼ね備えた高橋さんは、その作品のみならず、人としても魅力的で、相手の感覚までをも研ぎ澄まし、物事は別の見方もできることを教えてくれる。また高橋さんの才能を誰よりも理解し、支える高橋さんの妻・純子夫人の存在も大きい。純子さんは岐阜でロシア雑貨やフェアトレード商品などのお店「flamant(フラマン)」を経営しており、今回高橋さんに同行して夫を影からサポートした。高橋さんご夫妻の二人三脚は、周囲の人を幸せな気分にしてくれる。人を笑顔にし、喜びを与えることができる人はすごい。

「HINODE」では高橋さんのワークショップも切り絵の似顔絵も大好評だった。動物的感覚が鋭いロシア人は、高橋さんと純子夫人の純粋な人柄を察知し、惹きつけられたのではないかと思う。

動画では、切り絵のワークショップの様子や、高橋さんから日本の皆さんへのメッセージなどをご覧いただけます!

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