ステンドグラス、金細工、漆喰… ロシアの夢の伝説ホテルをミニガイド

古代ルーシにあやかるインテリアを愛で、革命前のメニューの「プーシキンのデザート」に舌鼓をうち、スターリン時代の政府官邸のレストランを知る…。これがモスクワ、サンクトペテルブルクの老舗ホテルをめぐる旅で味わえてしまう。
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  • メトロポーリ(モスクワ)
メトロポーリ

モスクワのロシア・モダニズムの代表建築のひとつに数えられる有名なホテル。建物正面を飾る大型のタイル絵画は19世紀末から20世紀初頭に活躍したロシア人画家ミハイル・ヴルーベリの代表作「グリョーザ王女」。ホテルの創業は1907年。インテリアは外観の素晴らしさに増して、多様なロシア・モダニズム様式がふんだんに表現されており、400室の客室の内装も1つとして同じものがない。

ホテルは1世紀以上の歴史の中で数々の有名人を迎え入れてきた。毛沢東、金正日、マレーネ・ディートリヒ、アーノルド・シュワルツェネッガー…。こうしたVIP向けの部屋の宿泊料金はおよそ8万5千ルーブル(およそ15万円)。

  • ナツィオナーリ(モスクワ)
ナツィオナーリ

ナツィオナーリは創業1903年。ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世やヨーロッパの様々な王室の貴賓らが宿泊してきた。

  • 「レニングラーツカヤ」ホテル(現在、ヒルトン・モスクワ「レニングラーツカヤ」)(モスクワ)
「レニングラーツカヤ」ホテル

ホテル「レニングラーツカヤ」はスターリン様式高層建築の1つ。使われているのはモスクワ・バロック様式だが、内装には古代ロシアのモチーフが漆喰、ステンドグラス、1950年代の豪華なシャンデリアで表現されている。

  • 「ソヴィエツカヤ」ホテル(モスクワ)
「ソヴィエツカヤ」ホテル

このホテルはスターリン自らの命令で1952年に建てられた。ホテルの前身が有名レストランだったという珍しいケース。もともとあったレストラン「ヤール」は有名作家アントン・チェーホフ、マキシム・ゴーリキー、オペラ歌手のフョードル・シャリャーピン、銀の時代の詩人、コンスタンチン・バリモントがたむろしていた。1952年、建物は立て直され、「ソヴィエツカヤ」ホテルが開業。1998年にはホテル内に再び往年の名の「ヤール」でレストランが開店。革命前のインテリア、20世紀初頭のフレスコ、シャンデリアが修復された。「ヤール」では革命前のメニューも再現され、キイチゴのスープ「プーシキンのデザート」なども味わえる。ホテルは以前は受け入れなかった外国人客も受け入れるようになった。3部屋にそれぞれジャグジー付きバスの付いたお値段は1万9千ルーブル(およそ3万3740円)。

  • グランドホテル「ヨーロッパ」(サンクトペテルブルク)
グランドホテル「ヨーロッパ」

折衷様式のこのホテルは1873年から1875年にかけて建設。社会主義革命で没収されてからはしばらくは小児隔離病棟として使われていたが、1930年代、再びホテルとして息を吹き返した。ホテルに長期滞在した有名人ではロシア人作曲家のイーゴリ・スラヴャンスキー、ピョートル・チャイコフスキー、ドミトリー・ショスタコーヴィチが挙げられる。

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