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2016年12月、日本郵便とロシア郵便は、シベリア鉄道を利用した輸送の効率化・日露間の越境Eコマースの可能性・郵便輸送技術のベストプラクティス共有の3分野で協力することで合意した。今回新たに締結された包括覚書は、この合意をさらに深化させるものである。
すでに、越境Eコマースの可能性を探る活動の一環として、昨年末にヴォロネジ及びモスクワの郵便局で日本製品の試験販売を実施した。この試験販売はロシアの消費者に大好評だったため、ロシア郵便は今月から約2500の郵便局で日本製品の本格販売を開始。順次、ロシア全土の郵便局に拡大していく予定だ。
ロシア郵便のニコライ・ポドグゾフ社長は「極東の郵便局を視察し、いかに日本製品の需要が高いか、自分の目で確認した。我々の郵便局で日本製品を販売できることは大きな喜び」と話した。また「世界一効率が良い日本郵便の経験と、高品質の郵便サービスを取り入れていきたい」と積極的な姿勢を見せた。
最も大きな成果となったのは、シベリア鉄道を利用するアイデアがまもなく実現することだ。日本からイタリアやオーストリア、スイスなど欧州の13か国に船便で荷物を送る際、従来は差出から配達まで2、3か月を要していた。シベリア鉄道を使うことで、約35日間に短縮することができる。シベリア鉄道を利用した船便輸送は、準備が整い次第、開始される。
サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでは、覚書締結式に加え、今月16日に発売された「日露交流年」特殊切手の記念押印も行われた。
日本郵政の長門社長とロシア郵便のポドグゾフ社長、記念押印セレモニーにて
© 写真 : Asuka Tokuyama