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- EXコインとは何か?
ビットコインやイーサリアムなど既存の仮想通貨システムを研究した房氏は、主な欠点を見つけた。それはセキュリティの低さ、エネルギー使用量やオペレーションコスト、即座に指示を送れないことなどだ。房氏はこれらの欠点を修正する方法を見つけ、EXコインを開発。今年9月にはシステムが完成する予定だ。
- このプラットフォームが必要な理由は?
この質問に答える前に、房氏は私(=記者)に現金を持っているか尋ねた。私は小銭で重くなった財布を取り出した。一方、房氏はカードが詰まった小さな財布を示して言った。「私は持ってないですよ。」
国土が大きいほどキャッシュの運送費が高いので、ロシアもこのために巨額を使っているはずです。ロシアは人口密度の低い大きな国ですが、キャッシュをなくして運送費用をゼロにし、キャッシュレス社会にすることはロシアにとっても非常に意味があります。」
- システムの信頼性は?
房氏「ビットコインの場合、5万台のサーバーのうち、10分以内に計算できた人間の半分以上が『これは正しい』といえば、それが正しくなるというのがルールです。私たちとしては、5万台も必要か?という疑問もありますし、それがセキュアかと言うと、セキュアではないと考えています。5万台は必要なく、15台程度に分散するのが良いと考えました。15台の分散には非常に高速な処理を行い、1秒間に2万回の取引ができるサーバーを作りました。1回の取引が生じたとき、3つの異なるデータベースに同じことを記録します。そして0.2秒ずつ記録をつき合わせます。もし3つのうち、1つのデータベースに違う取引が記録されていれば、フラッグが立ち、黄信号・赤信号が出てきます。これはハッキングされていることを意味します。しかし0.2秒の間に、2つ以上のデータベースをハッキングする技術は世界にありません。アメリカやロシアの諜報機関にもないでしょう。」
房氏「1つのデータベースをハッキングできたとしても、0.2秒の間に2つのデータベースを同時並行的ハッキングするテクノロジーを開発するのには、お金も労力もかかります。現在のハードとソフトでは、まず不可能です。また、マウントゴックスように、顧客の仮想通貨が、どの時点で、どの口座に移動したかのトレーサビリティーが100%あり、それを追跡する機能がついているので、詐欺、盗難はもちろんのこと、マネーロンダリングを不可能にする、できたとしてもすぐにバレてしまうというシステムになっております。」
房氏は、EXコイン使用に際して電力消費量が抑えられるのは、FeliCa(フェリカ)の仕組みのおかげであると話した。フェリカは、日本ではPASMOやSuica、NANACOなどのカードに使われている。
私たちは、(EXコインの仕組みは)2ミリワットの電力だけではできないと考えています。15台のサーバーを使うつもりでいるので、結局その15倍ということで30ミリワットになります。この数字は、6キロワットを消費するVISAやマスターに比べれば、100分の1にはなっています。それほどまでにエネルギーの使用量が減りますので、世界で一番、エコなシステムになります。」
- その他の特徴
EXコインはデジタル中央銀行「GMF」によって管理される。GMFの特徴は、人間の介入が最低限で、コストを抑えていることだ。GMFは自らEXコインを発行し、買い戻し、再起動することができる。EXコインが一定の価格に達した場合、GMFは価格と同量になるようコインを発行する。こうして、通貨は貯蓄手段として保障される。例えば、EXコインの価格が2万ドルに達すれば、発行量は2万コインになり、価格が3万ドルになれば、発行量コインになる。価格の急激な下落の際には、GMFがEXコインを買い戻す。
房氏は、EXコインがクリプトルーブル導入の際にロシア市場でも使われる可能性があると期待を寄せる。スウェーデン政府が検討する仮想通貨「eクローネ」との提携も計画にある。EXコインプラットフォームは6月1日、ロシアのイノベーションセンター「スコルコヴォ」で開かれる「Startup Village 2018」で発表される。日本は露日交流年の一環で、「Startup Village 2018」のパートナー国として参加する。