ロシア最大のスタートアップイベント、日本がパートナー国に【写真】

5月31日から6月1日にかけて、モスクワ郊外にある学術都市スコルコボで、ロシア最大級のスタートアップイベント「スタートアップ・ビレッジ2018」が開かれた。日露交流年の今年、日本はパートナー国として、ジャパン・パビリオンを設置。日露のオープンイノベーションの出会いの場として「Japan-Russia TECH MATCH 2018」が開催された。
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「Japan-Russia TECH MATCH 2018」では、ビジネスパートナーとしてロシアのスタートアップを探している日系企業のプレゼンテーションや、ロシアで成功している日本のベンチャー企業の紹介、日露の専門家を交えたラウンド・テーブルなどが絶え間なく行なわれ、活発に意見が交わされた。

多数のベンチャー企業を立ち上げた起業家・投資家で、ロシア最大の中古車オンライン・オークション会社「カープライス」の創設者オスカー・ハルトマン氏も登場し、日本におけるビジネスの体験を語った。同社は2015年に日本に進出し、独自のライブオークションなどの仕組みで従来の中古車オークションの概念を覆した。ハルトマン氏は日本市場に進出を検討するロシア企業に対し「日本での会社設立は確かに大変だった。しかし日本とロシアの差異に目を向けて失敗の理由を探すのでなく、人間としての欲求、共通点に焦点をあてるアプローチをすべきだ」とアドバイスを送った。

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熱弁をふるうオスカー・ハルトマン氏
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ジャパン・パビリオン
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ラウンド・テーブル

「Japan-Russia TECH MATCH 2018」に参加したワールド・ビジネス・アソシエイツの城ヶ崎寛氏は、出会いの場をより効率的にするため、ロシア側の事前の情報開示が必要だと指摘した。

城ヶ崎氏「このイベントで初めてロシアのスタートアップに何が起こっているのかを知るのでは、深く知り合う時間がありません。中国やベトナムと違って、ロシアの情報は少なく、今後果たしてお付き合いできる相手なのか見極めにくいのです。日本側としても、世界中に色々な会社がある中で、なぜロシアのこの会社と組むのか?という理由がなければ、採用できません。評価する時間が必要なのです。どんな会社がどういう知見をもっているのか事前に分かれば、もっとフォーカスしてその会社と会うことができます。こういった情報を前もってインターネット等で入手できる仕組みがあれば、日本もロシアのスタートアップにもっと興味を持つでしょう」

カープライスの梅下直也代表取締役 【独占インタビュー】
スタートアップ・ビレッジには多数の展示ブースが立ち並んでいたが、ロシアのスタートアップを視察に訪れた複数の若手経営者、ベンチャー企業関係者からは「企業情報が効率的に集められなかった」「やみくもにブースを回らざるを得なかった」との声が聞かれた。ビジネスマッチングに関する情報の提供は、スタートアップを含めたロシア全体の課題だと言えるだろう。

自治体レベルでの日露スタートアップ支援も動き始めた。5月末に行なわれたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムでは、福岡市とサンクトペテルブルク市が、スタートアップの相互支援に関する覚書を締結している。

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