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HIVは絶えず変異しているため、人体そのものも学者らも、それぞれの新世代HIVに対する抗体をつくるのが間に合わない。しかし米国のウイルス学者らが、ウイルスの表面に位置する特殊なタンパク質を発見した。ウイルスは同タンパク質を使って生細胞に付着し、その内部に入り込むが、タンパク質はウイルスと一緒に変異しないという。したがって、同たんぱく質に対するワクチンをつくり、HIVが体内の細胞へ侵入するのを防ぐためには、1種類の抗体のみを使用すればいいということだ。
2年前、学者らはあるHIV患者の血液中から、まさに接着タンパク質に作用し、ウイルスが体の細胞に付着するのを防ぐ珍しい抗体を発見した。この抗体が新ワクチンの基盤となった。マウスやサルでの実験では、ワクチンによりサルやマウスが現在存在するHIV株208のうち70に対する免疫を得たことが示された。研究結果はNature Medicine誌に掲載されている。
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