犯罪としての異論 仏与党、マスコミを「良いもの」と「悪いもの」に選別することを提案

フランス下院(国民議会)で行われた、いわゆる「フェイクニュースに関する法律」についての公聴会で、与党多数派の議員らは、フランス視聴覚最高評議会(CSA)がマスコミを「信頼に値するもの」と「信頼度の低いもの」という2つのカテゴリーに分類することを提案した。スプートニクが、提案された法案に対する議員らの最も鮮やかな反応をお伝えする。
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スプートニク日本

  • ジャン=リュック・メランション、政党「不服従のフランス」所属議員

「もしあなた方が、外部から虚偽の情報を広める者、あるいは外国政府に属するプラットフォームで意見を述べる者を邪魔したいと思うのであれば、あなた方の問題は始まったばかりだ!あなた方には、朝昼晩にBBCの放送を追跡する必要が出てくるし、毎日アルジャジーラを見る必要が出てくる。そして恐らく、残りの人々は、『フランス24』がフランス人の利益に応える情報を偶然広めないということを追跡することになるだろう。シラク大統領は、このチャンネル設立の目標を隠そうとはしなかった。彼の見解によれば、フランスのような国は、我々の伝統に合致する視点を中継放送できる可能性を持つことが不可欠だという。皆がそうしているのだ!」

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「情報が配置されるプラットフォームが、この情報に対する責任を負うことが提案されている。素晴らしい、だが方式として、いったいどのようにこれを行うのか?このことは、それらのプラットフォームに原則があることを前提としている。あなた方は、多分、冗談を言っているのだろうか?『GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)』に原則があるのだろうか?これは何か新しい話だ!税金を払わないフェイスブックやグーグルに原則があり、他ならぬこれらの企業を我々は信頼して、何が真実で何が虚偽かを定義するデリケートな仕事を任せようというのだ」

「結局最終的には、真実を虚偽から見分けることに法律が役立つということが問題であるのに、まさにこの点で我々の意見は分かれている。私とあなた方が携わっているのは科学ではない、[・・・]政治なのだ。政治的決定が客観的なものになり得ると信じるのは、もうたくさんだ」

  • エマニュエル・メナール、政党「国民連合」(旧「国民戦線」)所属議員

「最近の大統領選挙が示したのは、--少なくとも、一部の人々はそのように言う--何らかの外国の国家(ほのめかされているのはロシア)とそれにコントロールされるマスコミが、選挙結果に影響を及ぼすためにできる全てのことを行い、そして主張されているところでは、虚偽の情報を広めさえして虚報で惑わした、ということだ。実際には、この背後に何が隠れているのか誰も知らないが、それはたいしたことではない。しかし、もし私が間違っていなければ、マクロン大統領はそれでもやはり当選し、ロシア・トゥデイやスプートニク(他ならぬこの2つが話題になっている)によって広められる情報が我々の同胞に影響を及ぼしたということについて、何も証明していない」

  • アレクシス・コルビエール、政党「不服従のフランス」所属議員

「この法律によって、我々は全くの信じられない乱流地帯に置かれている。[・・・]これらは全て、途切れなく続くおしゃべりだ。(フェイクニュースの)この定義が、我々をどこへ連れて行くのかは分からない」

  • マリーヌ・ル・ペン、政党「国民連合」所属議員

「実際には、あなた方の目標は、その(デジタル)プラットフォームが財政的影響、とりわけ外国の財政的影響の下にないかどうかを知るために、一種の透明性を作り出すことだ。私にはこれが、数カ月前にプーチン大統領が決定したことに非常に似ているように見える。そして、彼のこの決定は、フランスの政治階層全体を揺り動かすものだった。彼は、透明性が保障されるよう、そして世論に対し、当然、非常に大きな影響を与えるNGOが、国外から資金を提供されているかどうかを明らかにするよう要求した。繰り返すが、あなた方は皆、このロシアの法律が自由を脅かすと例外なくみなした。今日、あなた方は同じことを要求している」

  • ニコラ・デュポン=エニャン、政党「立ち上がれフランス」所属議員

「我々は、異論を犯罪として分類するということに向かっており、これについての決定は重要な選挙直前の48時間の期限内に裁判官によってなされることになる。これは正真正銘の狂気だ。あなた方の法案では、二重基準が使われている。あなた方は自分たちの掌握下にあるマスコミを使って、あなた方のものとは異なる意見を述べる人々に、沈黙を強制したいと望んでいるのだ」

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