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クモによって非常に細い糸から作られたパラグライダーを、肉眼で見分けることは不可能だ。実験室とベルリンの公園の一つでドイツの研究者らによって撮影された映像が助けとなった。1本の糸によって表面に自分を固定したクモは、風の力を確かめるため肢を1本、上に持ち上げることが分かった。もし天気が飛行に適していれば、クモは素早く大量の糸を長さ2~4メートルにわたって繰り出し、この糸から三角形の「帆」を形成する。この際、クモは表面に固定された「錨の」糸を保持し、自分が飛んで行ってしまわないようにする。もし風の方向や強さが変化すれば、クモは「空中の帆」を切り取り、必要な気象条件を待つ。一方、もし気象条件に満足すれば、「錨の」糸を切断して空に向かって上昇し、大旅行に出発する。観察結果は「PLoS Biology」誌に掲載されている。
学者らはクモの飛行士の秘密を1つだけ、解明することができなかった。同時に繰り出される、パラグライダーのこのような大量の糸が、なぜ風でもつれてしまわないのか、ということだ。もしかしたら、糸が静電気の電荷を帯びていて、そのため互いに離れるようになっているのかもしれないと、学者らは推測している。
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