新型イージスレーダーは日本にとっての巨大リスク

日本の防衛省が、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージスアショア」に、ロッキード・マーティン社製の長距離レーダー「SSR」を採用する方針を固めた。政府の正式発表ではないが、ロイターが政府関係者の話を基に報じた。
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この情報は信憑性が高い。日本は2023年までにイージスアショアの運用開始を目指している。日本はまた、イージス艦4隻を所有している。イージスシステムには迎撃ミサイル「SM-3」が搭載されている。一方、弾道ミサイルの発射と飛行を監視する長距離探知レーダーなしにミサイル防衛(MD)システムは無力だ。そのため、高性能レーダー開発の決定は、防衛省が取るMDシステム強化の方針から直接来るものである。

SSRレーダーは北朝鮮のミサイルだけでなく、中国やロシア極東上空の空域ないし宇宙空間を綿密に探る性能をもつ。こうしたレーダーは日米にとっての無尽蔵の偵察データ源となるだろう。さらに、SSRは米国によるグローバルMDシステム網の一部として機能する可能性がある。探知距離1千キロの長距離識別レーダーは、防空システムの近代化を目的とした米国の大型防衛計画の一部である。このタイプのレーダーは米アラスカ州のクリア・エア・フォース・ステーション近くで組立てられる。同基地からは、地上発射ないし潜水艦からの弾道ミサイルの発射を監視している。長距離識別レーダーは7億8400万ドルの契約で、2019年に引き渡される予定。

長距離レーダー「SSR」

この基地は発射を探知してミサイル警報を出す5つの米軍基地の1つ。これら基地のレーダーは設置場所の関係から、弾道ミサイルがすでに大気圏を突破した飛行経路の中盤になって探知が可能。ミサイルに反応し迎撃する時間はそう多くない。しかしこうしたレーダーを日本に配備することで、飛行経路序盤でミサイルを探知できるようになり、迎撃の可能性を激増させる。ミサイル情報がイージス艦やイージスアショアに送られた場合はなおさらだ。日本は北朝鮮の弾道ミサイル発射地点から非常に近くに位置しており、迎撃成功のチャンスは最大限となる。

そして、イージスシステムは防衛だけでなく、攻撃性能も有する。イージス艦の「Mk 41 VLS」(垂直ミサイル発射機)には迎撃ミサイルが搭載。海上自衛隊は「Mk 41 VLS」を90基配備している。同様の発射機がイージスアショア1基につき、24個含まれている。地上配備型イージスを展開後、日本には計408基の「Mk 41 VLS」が配備される。「Mk 41 VLS」は巡航ミサイルなども発射可能な汎用発射機として開発された。米アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦は、「Mk 41」にトマホーク巡航ミサイルを搭載。同艦は2014年9月23日、シリアの標的をトマホークで攻撃した。

上記をまとめると、日本のSSRレーダーはロシアや中国の戦略的に重要な一連の施設を探知する能力をもつと言える。前もって弾道ミサイルを搭載している日本のイージス艦やイージスアショアは米軍のそれ同様に、露中の施設に突如ミサイル攻撃を行うことができる。これは全て、アジア太平洋地域の安全保障を脅かす。

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