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少年の親や地元の人々は、チャンタウォンさんを英雄と呼んだ。今回の出来事は待望のハッピーエンドで幕を閉じた。大勢の人々が、少年たちが生還した鍵はチャンタウォンさんに隠されていると考えており、チャンタウォンさんの人生に注目が集まっている。
チャンタウォンは過去にも死を免れたことがあった。10歳の時、チャンタウォンさんが暮らしていたタイ北部の村で伝染病が流行した。はじめに7歳の弟が、続いて母親と父親が病気で亡くなった。そしてチャンタウォンさんは仏教寺院で暮らすことになった。
今年6月末、「ワイルド・ボアーズ」の少年12人が遠足に出かけ、チャンタウォンさんが同伴した。そして雨による増水で洞窟に閉じ込められた時、チャンタウォンさんは、救出されるまで子供たちができるだけ長く持ちこたえられるよう、食べ物や水を正しく分配した。またストレスを軽減し、パニックを克服するために、子供たちに瞑想を教えた。もしかしたら子供たちが洞窟内の浸水部分の薄暗い水の中を救助隊員に付き添われながら泳いで移動するための力を温存できたのは、瞑想のおかげかもしれない。
もちろんチャンタウォンさんは、雨季に子供たちを洞窟に連れて行ったとして批判された。さらに洞窟の入り口には、危険を警告する大きな標識もある。
だが大勢のタイ人にとって元僧侶のチャンタウォンさんは、子供たちを救うために天から送られた神意の現れのような存在となった。タイの人々は、チャンタウォンさんが12人の「イノシシ」(少年たちのサッカーチーム「ワイルド・ボアーズ」は、野生のイノシシの意味)たちを腕でかかえ、蓮のポーズで瞑想している写真をSNSで共有した。
Публикация от Jiraporn Luekaewma (@mai_jacknight) 4 Июл 2018 в 7:49 PDT
少年の親たちは、洞窟に閉じ込められた責任をコーチに負わせないよう求めた。救助隊が差し入れた家族から子供たちへの手紙では、チャンタウォンさんへのメッセージもあり、責任を感じないでほしいと書かれていた。
1人の少年の母親は手紙の中でチャンタウォンさんに「気を強く持ってください。自分を大切にしてください。お姉さんも洞窟の入り口であなたを待っています。どうか子供たちを連れ出してください」と呼びかけている。
なおチャンタウォンさんは少年の親たちに謝罪した-「保護者の皆様、子供たちは全員元気です。必要なものはすべてあり、子供たちは良い対応を受けています。私は全力で子供たちの面倒を見ることを約束します。助けに来てくださった皆さん、ありがとうございます。また保護者の皆さんに心からお詫び申し上げます」。