HIVワクチンの使用開始時期が語られる

国際連合エイズ合同計画の専門家エドゥアルド・カラモフ教授は、10年後にもHIVワクチンの使用が始まると語った。カラモフ氏によると、現在、複数の種類のワクチンの臨床試験が同時に行われており、いずれも良い結果を示している。
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カラモフ氏は、通信社スプートニクのインタビューで、毎年およそ150万人が感染し、約100万人が死亡しているため、HIVワクチン製造の重要性はいくら高く評価してもしすぎることはないと語った。同時にHIV感染の速度は高まり、規模も拡大している。 残念ながら、ロシアは世界のHIV感染者数ランキングで、インドやアフリカ諸国と並んでトップ10に入っている。カラモフ氏は、次のように語っている-

HIV株の30%から守ってくれるワクチンがつくられる
「世界のすべての国で30年以上にわたってHIV感染と戦うための手段を構築する大規模な研究が行われているが、 最終的な解決策はない。ワクチン製造を妨げている『手に負えない難問』が3つある。 一つ目は、ウイルスの高い変異性だ。2つ目は、ある株に対するワクチンを接種しても、別の株には効果がないこと。つまり普遍的なワクチンをつくることが不可能であることだ。現在世界には9種類のHIVウイルスと、その混合バージョンが70種類以上存在する。例えば、ロシアではAbウイルスが、米国 ではBウイルスが拡大している。したがって米国のワクチンはロシアのウイルスには効果がない。そして3つ目の問題は、ワクチンを試験するための実験動物が存在しないことだ。ヒトに最も近いチンパンジーは、HIVに感染しても、病気を発症させない。チンパンジーを急速に死に至らしめるサルのウイルスは、ヒトのウイルスと大きく異なっているため、ワクチンのすべての試験は人間で行われる」。

またカラモフ氏は「HIV感染者の増加率が年間10%未満の地域で、大きなグループがつくられ、その一部はワクチン接種を受け、残りには偽薬が与えられる。5000人からなるコントロール・グループでは、うち約500人が感染し、ワクチン接種を受けた5000人からなるグループでは、ワクチンの効果が高いほど感染者は少なくなる」。

万能がんワクチンの臨床試験を開始へ 米
カラモフ氏によると、 「そのような研究は少なくとも3〜5年続く」という。

カラモフ氏は、エイズの予防と治療は困難ではあるものの、HIVワクチンは10~12年後に使用が開始され、人類は25-30年後には、この恐ろしい病気に完全に打ち克つことができるとの見方を示している。

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