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東芝による郵便物や小包を処理するシステムは、2014年末から徐々に導入が始まり、仕分けソーター、税関機器、コンベアーなど、多岐にわたっている。現在に至るまでオペレーション・システムの改善が絶え間なく続けられ、ついに完工を迎えたとともに、処理された郵便物の数が5億個に達した。ロシア郵便のポドグゾフ社長は、「東芝は非常に頼りになるパートナー。今後も最新技術を備えた設備拡張のため、同社の協力が必要」と話した。
国土の広いロシアでは、物流が不便な地域も多い。ロシア郵便は地域の生活インフラとして、各郵便局で日用品や贈答品などの販売を行なっており、対面・カタログ販売とも売り上げを伸ばしている。それに加え、今年5月には2千局以上の郵便局で、日本製品の販売を本格開始した。日本の生活用品、コスメや食料品などが人気を集めている。ロシアメディアからは早くも「となりのトトロなどロシアで人気のあるキャラクターグッズを扱ったり、商品ラインナップの拡大をしてはどうか」という提案が出された。
野田大臣は「東芝がロシア郵便の区分業務の中枢となり、ロシア国民の生活に欠かせない業務の一端を担っていることは非常に光栄。通常、これから(何らかの事業を)開始するというイベントが多い中、今回は完工式ということで、既にロシア郵便と東芝の間で築き上げられた素晴らしいシステムがきわめて順調に稼動し、ロシアの皆さんの喜びにつながるような仕事をしているのをつぶさに見ることができ、大変嬉しい」との見解を示した。
ロシアは国策として、「デジタル経済」政策を積極的に推進している。野田大臣は「日本では郵便局に関してもICT化が進んでおり、その中でうまく進んでいることについて、ロシアでも生かしてもらえるものがあれば」と話している。
また、5月のサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで発表された、シベリア鉄道を活用した日本から欧州への船便輸送は、8月に始まることが明らかになった。これにより日本からイタリアやオーストリア、スイスなど欧州13か国に船便で荷物を送る際、差出から配達まで2、3か月かかっていたところを、約35日間に短縮することができるようになる。