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グーグルグラスは顔を認識するスマートフォンアプリとリンクしており、着用者の視野を記録するカメラを搭載。着用者が誰かと交流すると、デバイスはアプリに情報を送り、アプリは表情を識別。その結果をリアルタイムでメガネレンズ状のディスプレイに顔文字を表示するか、短い音声メッセージの形で送る。アプリは、「哀しみ」「怒り」「驚き」「恐怖」「嫌悪」「軽蔑」「安心」といった8つの感情を識別することができる。
これらはすべて自動で、研究者の非公開サーバーに暗号化された形で記録される。その後、研究者は、自閉症の子どもたちのコミュニケーション結果、彼らの反応、そして進展を分析できる。
実験中、子どもたちは、研究者のもとで自分の家族と会話を行った。1回の会話は約20分。毎回、実験前後に両親は、子どものコミュニケーション能力を評価するアンケートを記入した。
両親が記入したアンケートはソーシャルスキルを評価する対人応答性尺度(SRS-2)で、60以下が条件付きの「標準」を意味し、75以上が重度の自閉症。子どもたちの平均は80.07から72.93に下がった。また、実験前後に子供らは感情を識別するテストを受けたが、実験前は全40問のうち平均正解数は28.45だったのに対し、実験後は38問正解した。
アレックス・ドンジ・カレンバインさん(9)の母親は、実験開始から数週間後、息子がより多くアイコンタクトを取るようになったと話す。アレックス自身もたびたび母親に、「ぼく、心を読むことができるんだ!」と話している。
論文が指摘するところ、自閉症の子どもは通常、絵や写真の描かれたフラッシュカードを用いて周囲の人たちの感情を識別するよう学習する。
しかし、米国では自閉症の子どもに対し専門家らがおよそ足りておらず、治療開始を1年半も待たなければならないことが珍しくない。
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