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エクスタシーは、しばしば「幸せホルモン」と称されるセロトニンを体内から排出するタンパク質の働きを遅らせる。その俗称は、セロトニンが人をより交流好きで友好的にすることから付いた。
研究チームは、セロトニンを用いた気分調節メカニズムが、生物の進化のどの段階で発生したのかを明らかにしようとした。実験には、ヒトと同じようなセロトニン輸送体の遺伝情報が発見された古代からの無脊椎動物、タコが選ばれた。
実験でタコは、3つに区切られた水槽の中心部に入れられた。片方の仕切りの奥には興味深いおもちゃが、もう片方には網で縛られたタコが置かれた。通常の状態では、タコは縛られたタコに関心を全く示さず、おもちゃを観察するだけだった。
だがエクスタシーを少量溶かした水で10分間泳がせたあと、再び実験用水槽に入れると、タコは行動を急変させた。縛られたタコに予期せぬ関心を示し、活発に触手で触り始めたのだ。研究結果は、学術誌『Current Biology』に掲載された。
この結果から、セロトニンによる気分調節は、5億年以上前から様々な生物を交流させてきた、古代からの進化のメカニズムであることが明らかになった。
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