日本で桜が数カ月早く開花 台風が原因【写真】

春に咲くはずの桜(ソメイヨシノ)が日本各地で開花している。専門家によると、台風が原因だという。民間気象会社「ウェザーニューズ」が16日に伝えた。
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同社のウェブサイトによると、ソメイヨシノが開花しているとの目撃情報が届き始めたのは10月9日頃。これを受けて同社が調査を実施したところ、ソメイヨシノが「咲いている」との報告が354件あり、九州から北海道までの広い地域に分布していた。

同社の取材を受けた公益財団法人「日本花の会」樹木医、和田博幸さんによると、各地のソメイヨシノ開花の原因は、相次ぐ台風による強風や塩害で葉が落ちたことだという。

春に咲く桜の花芽は通常、7~8月に作られる。この時期に花芽が咲かないのは、花芽の付け根についている葉から「アブシシン酸」が花芽に送り込まれていて、動き出すのを止めているからだという。アブシシン酸は植物ホルモンの一種で、植物の成長を抑制する機能がある。だが、今年は台風21号や24号による強風や塩害で葉が落ちてしまったため、アブシシン酸が送り込まれなくなり、その後も摂氏20度を超える高い気温の日があったため、咲き出したのではないかとしている。

和田さんは来春の開花について、今回の開花数が非常に少ないため、大きな影響はないだろうとしている。一方で、大枝が折れたり、根元から倒れたりしたケースが多くあり、このことによる景観への影響が考えられ、また、折れた箇所から腐朽し始めることによる樹勢衰退が懸念されるという。

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