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移民法が政府の注目を集めた主因は、まず人口問題による労働力不足である。2017年、日本は再び最低記録を更新した。すなわち、出生率が、統計を取り始めて以来(1899年以来)最低レベルに落ち、出生者数が百万人を切ったのである。労働力不足を補う方法として、外国人の誘致による対処がますます増えている。
ヴィターリー・シヴィトコ氏は、日本政府はこの傾向を無視できないと考える。「新法の最大の利点は、最も社会的評価の低い仕事に対する外国人のアクセスを容易にするという点です。他の先進国と同様に、単純労働は自国民の間ではあまり需要がありません。しかし、より貧しい国(ほとんどの場合は東南アジア諸国)からの移住者にとっては、日本での仕事はどんな仕事であっても、安定の保証であり、往々にして自国よりも高い賃金の保証です。一方で、日本のようなハイテク国の国民は、より自由に知的労働に就くことができるようになります。」
労働法の緩和は、農業、建設業、製造業など、一度に10分野で行われる。就労ビザの割合もおそらく増加するだろう(現在、日本で就労ビザを持っているのは、わずか20%にすぎない)。
政府が決めた一連の分野の中で、特別な位置を占めているのが、高齢者や病人の介護人材がますます必要になる医療分野である。日本は長寿が多いことで有名であり、これがこの国とその生活水準を良い意味で特徴付けている。その一方で、現在の日本は高齢化のスピードにおいても世界トップクラスである。すでに2014年には、日本人の4人に1人が65歳以上の高齢者であった。
外国の専門家を誘致するメリットは明白なように思える。しかし、ヨーロッパの経験は大量の労働移民が持つマイナスの側面も示した。ヴィターリー・シヴィトコ氏は言う。「改革反対派が懸念しているのは、ヨーロッパやアメリカで起こったような外国人労働者の大規模な蓄積が起こることで、必然的に国内に各民族の飛び地が形成されてしまうことです。移民の多い地域の警察は、秩序の維持と状況のコントロールが完全にはできなくなります。また、外国で長期間働いていると、そこに家族も呼びたくなります。中には、地元住民のパートナーを見つける人も出てくるでしょう。このように、大量労働移民の影響で、数世代後には日本社会がもはや今のように均質ではなくなっていることに繋がりかねません。このプロセスが、単一民族としての日本人が持つ、様々な挑戦や外部世界の影響に対する自然抵抗力を弱めること可能性があると考える人もいます。」
一方、政府筋によると、法改正により、2019年4月からの5年間で、26万人から34万人の外国人が来日する可能性があるという。この数字全体が、これほどの流入に対して準備不足な社会保障制度と相まって、法律の変更に対する批判者の主要な懸念事項となっている。
政府は急いでいるのか、あるいは逆に、すでに改革をあまりにも先延ばししすぎたのか、これはまだ分からない。しかし、オープンドア政策のメリットがすべてのデメリットを上回るかどうかは、まず何よりも受け入れ側次第だ。