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日本の選手団の引率にあたった日本相撲連盟の竹内晋岝(たけうち・しんさく)常務理事によると、これだけの数の選手がまとまってロシアを訪問したのは初めてだということだ。
ロシア側からは、ロシアのナショナルチームではなく、モスクワ相撲連盟に所属する地元選手たちが参加した。いっぽう日本側は全国から最高レベルの選手が集まっていたので、1点差でなんとか勝利したことは、ロシアの相撲レベルの高さを示している。ロシアはもはや、世界大会ではメダルの常連国になっている。竹内氏は「今、ロシアは世界で一番強い。世界選手権では、ロシア国歌をしょっちゅう聞いています」と話す。
日本では大相撲は人気があっても、アマチュア相撲となるとマイナーだ。ロシアでは、モスクワ相撲連盟の管轄化だけでも約300人の競技人口があり、相撲人気が高まっている。「ロシアがこんなに強いと思わなかった」というのが、日本人選手の正直な感想だ。
竹内氏は訪問の成果として「日本の選手はこれまで世界というものに対してあまりイメージがわいていませんでしたが、若い人が、ロシアという国を理解できたということは本当に良かったです」と話している。
日本人の中でも、大相撲中継はテレビで見たことがあっても、アマチュア相撲は見たことがない人が多い。試合会場を訪れた日本人からは「相撲がこんなに素晴らしいスポーツとは思わなかった」という声が聞かれた。
日本人選手らは、試合後にロシア人選手と一緒に写真を撮ったり、言葉が通じないながらもコミュニケーションをとり、仲良くなった。クレムリンを始めとする市内観光も行ない、古い建築が残るモスクワの町の美しさに驚いていた。
モスクワ相撲連盟のイーゴリ・クリンノイ会長は、「もしかしたら古い表現かもしれませんが、勝利したのは日本でもロシアでもなく、まさに友情でした。一週間の滞在の間に選手たちは本当に仲良くなって、別れはとても辛いものでした。相撲だけでなく観光をしてもらい、モスクワの町とモスクワ住民のもてなしを感じてもらえました。そのことはとても嬉しいですし、このプロジェクトのおかげで日本とロシアの距離が少し縮まったと感じています」と話している。