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福綱さんは大半の客が100円寿司を好むか、テレビで紹介されるような銀座の高級レストランに足を運ぶと語る。そのはざまにある小さなすし屋は生き残りをかけて必死の経営を続けている。
競争力を維持するためないためには、価格を抑えるしかない。福綱さんたちはもう10年もランチの値段を上げていない。支出を抑えるため、店主は毎朝自分で豊洲市場へ足を運び、一番いい魚を選ぶ。
永楽の店内は10人もお客さんが入れば満席。大半の客がカウンターを好むのは握りの出来上がってくる様子を眺めたいからだが、年配のお客さんは畳の席を選ぶ。お客さんたちが足しげく通う理由は、店ののれんをくぐると、親たちに迎えられたようにとても心地いいからだ。