スプートニク日本
2006年には、原子炉の冷却管にクラゲが詰まり、米空母 『ロナルド・レーガン』が故障するという事件があった。魚の養殖場もクラゲに悩まされている。 有毒な熱帯のクラゲはすでにアイルランド沿岸まで達しており、その咬傷によって毎年、何十万匹ものサケ・マス類が壊滅させられている。沿岸部の発電所の動力系統にクラゲが侵入するという問題が、日本や米国、スウェーデン、イスラエル、フィリピンで発生している。日本では、クラゲは時として地震に次ぐ危険な存在とされる。エチゼンクラゲは体長2メートル、体重は200キログラムにも達する。
2009年、エチエンクラゲを水から引き上げようとした漁師の船が転覆する事故が起きている。過去には、こうした巨大クラゲを日本の沿岸で見ることは30年に1度くらいしかなかったが、21世紀になってからは毎年のように出没している。
クラゲの分布が広がったもう一つの理由は魚の乱獲にある。
漁師が魚の代わりにクラゲを魚群探知機で見つけることは稀ではない。生物学者たちは、人間の活動によって乱されたエコバランスを回復させるため、国際社会にその対策の研究を呼びかけている。