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同国の王印保管担当官による声明をもとに国営ベルナマ通信が伝えているところでは、首都クアラルンプールで開かれたマレーシアの統治者会議で、新国王の選出が行われたという。
マレーシアの国王は、憲法に基づいて5年に1度、9つの州をそれぞれ伝統的に世襲で統治する9人のスルタンによって互選で選ばれる。英国によって植民地化されるまで、マレーシアが統一国家だったことはなく、マレー人による各スルタン国は、それぞれ自国の王族によって率いられていた。英国による支配権のもとでも、各スルタン国は自らの地位と一部の権力を維持していた。
マレーシアが独立を手に入れた後、同国内では独特なシステムが作り出され、世襲の各スルタンが5年ごとの持ち回りで最高首長、つまり国王の「職」に就くことになった。
独立を獲得した時から数えて15代目国王だったムハマド5世は、僅か2年間しか国家元首の職務を遂行せず、今月6日、クランタン州首長としての自らの地位は維持しつつも、誰にとっても意外なことに、国全体を束ねる王座を放棄した。
退位の理由として挙げられたのは、自らの出身州では住民の福祉水準が低下し始めており、現地に君主が恒常的に滞在することが至急必要だということだった。
一方、これに先立ち、ムハマド5世が2018年末、ロシア人女性のオクサーナ・ヴォエヴォジナさんと結婚したと伝えられていた。
マレーシアの新国王となったアブドゥラ前首長は、59歳のスポーツマン。国の複数のスポーツプログラムのスポンサーや、マレーシアサッカー協会の会長、国際サッカー連盟(FIFA)の理事も務めている。