スプートニク日本
幼児の母親の説明によれば、父親は車内に幼児が座っていたにもかかわらず、中に鍵を置き忘れてドアを閉めてしまった。そのとたん、すべてのドアが自動的に施錠され、子どもは中に取り残された。当時の外気温は22度。暑さからこのままにしておけば車内温度は37度に達する恐れがあった。
施錠されたオフロード車の周りを群衆が取り囲み、その様子が近くで道路工事をしている5人の受刑者を監督していた警察官たちの目を引いた。幼児の父親は窓ガラスをたたき壊そうとしたが、警察は囚人らに助けてみないかと提案した。囚人の1人が、車のドアを開けるために洋服ハンガーを使うことにした。数分後、囚人は車両を傷つけることなく、ドアを開けることに成功した。
管区のクリス・ノッコ保安官はこれについて、囚人が自分の自動車盗難の技術を「公益の目的」のために使うことのできた 特異なケースと呼んでいる。
「この囚人たちは過ちを犯した。だから私たちは社会復帰をめざして彼らを訓練している。彼らの多くは、これらの人々と同じように自分たちは間違いを犯した、または間違った選択をしたことを知っているが、しかし彼らだって人生で正しいことをしたいと思っているのだ」と保安官は語った。
幼児の母親は、子どもの救助に関わったすべての人に感謝し、囚人が買い物を行う刑務所内の店の口座に寄付をしたいと語っている。