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ロシアのメディアは、宇宙ゴミが宇宙空間の施設などを破壊してしまうおそれがあること、そして、そうした問題をどう回避するかについて明らかにした。
米航空宇宙局(NASA)によれば、現在、年間3~4機の人工衛星が破損したり、寿命を迎えている。そうして耐用年数を迎えた人工衛星の破片を研究者らは、他の人工衛星やさらには有人の宇宙船にとっては潜在的な「破壊物」になり得ると警告している。
2013年1月、宇宙ゴミの破片がロシアの科学衛星「ブリッツ(Blits)」を撃ち落とした。また、2016年5月には、サイズが1ミリメートル以下の金属片が国際宇宙ステーションの船窓に衝突し、直径7ミリメートルの凹みが生じた。さらに、宇宙ゴミは、地球の上空に丸屋根をかけたようにすっぽり覆い、人類からインターネットを奪ってしまうおそれもある。
ロシアや米国、日本、英国、スイス、中国の研究者らは、地球の軌道上から宇宙ゴミを遠ざけるためのさまざまな方法を考案している。
- 巨大な金属製の網で破片を収拾する
- フックでゴミの破片を引っ掛ける
- 地上または衛星からレーザーを照射しゴミを蒸発させる
- 磁石により金属片を引き寄せる
どの方法が最大の効果を発揮できるかは、まだ特定できていないが、2023年に向け欧州宇宙機関は、初の宇宙ゴミ収集機「e.Deorbit」の宇宙空間への打ち上げを計画している。
その目的は、任務を完了した大型人工衛星「Envisat」の回収にある。重量8トン超のこの衛星は地球の軌道から外れさせ、大気圏で消失させる必要がある。