極東 シャチらの『イルカ監獄』からの解放に動物擁護団体が反対

ロシア極東スレドニャヤ湾水域に設けられた施設、いわゆる「イルカ監獄」に閉じ込められていたシャチ、ベルーガ(シロイルカ)を5月18日から20日の間に全頭スレドニャヤ湾に放す計画について、社会団体「エコヴァフタ・サハリーナ」のドミトリー・リシツィン代表は、エコロジストらがこれに異議を唱えていることを明らかにした。
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リシツィン代表はこの計画について、国際専門家グループ「クスト」の進言に反していると説明している。「クスト」はスレドニャヤ湾にイルカらを放した場合、想定されるあらゆるリスクを詳細にわたるまで説明しており、これを行わないよう粘り強く求めていた。

「イルカ監獄」からのシャチやシロイルカの解放には数年かかる可能性がある=ジャン・ミッシェル・クストー氏
リシツィン代表は「シャチらは今、拘束されている場所で放されても、自力で餌を見つけることはおそらくできない。それはシャチらにとって自分たちがいるはずの場所ではない、馴染みのある環境にいるわけではないからだ。こうしたリスクは沿海地方南部には野生のシャチが生息していないことから、さらに深まり、これらの哺乳類は自由の身になっても仲間の助けのない環境で餌を探さざるをえなくなってしまう。『イルカ監獄』に閉じ込められた生物らはここで自然の生活に戻るのは大変難しい」と語っている。

リシツィン代表は、シャチらは昨年捕獲された水域にまで戻し、そこで放すべきだという科学者らの姿勢を支持している。

『イルカ監獄』の存在は、2018年10月、環境保護団体「グリーンピース」がレッドブックで絶滅の危機に瀕していると認証されたシャチ、13頭をロシアから中国に違法に販売する計画があることをすっぱ抜いたために世界に大きな反響を呼んだ。この場所にいる、海洋性の哺乳類は過去5年で15頭が持ち出され、姿を消した。ロシア捜査委員会はこの事件を動物を非合法に捕獲し、これを残忍に扱った犯罪として捜査を開始している。

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