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シンガポールの仮想通貨取引所「Huobi」ロシア支所のアンドレイ・グラチョフ所長は「現時点、仮想通貨市場は安定した上昇傾向にある。この動きは今年秋の終わりまで保たれて伸びていくだろう」と述べた。グラチョフ氏によると、ビットコイン価格は今年中に2万5千〜3万5千ドルに到達しうる。
もう1つの理由になったのは、米中貿易戦争や米連邦準備制度の利上げに対するレトリックの緩和といったマクロ経済的な不確実性と地政学的な緊張だ。また、ビットコイン価格上昇の新たな波は世界的な原油価格の急落に続いた。5月20日から27日までの1週間でブレント原油価格は5ドル近く下落し、3月末以来初めて、1バレル=67.5ドルに近づいた。これは全て、投資対象の代替資産としての仮想通貨需要を高めた。
分析機関「ビジネスドロム」の代表でロシア下院のデジタル経済に関する専門家パネルのアルセニー・ポヤルコフ氏はこうした見解を支持。「ビットコイン価格にはグローバル化の経済プロセスの質といった基本的な要因が影響しているとの仮説がある。グローバル化が順調にいけば、諸国は国境を開き、対話に参加し、ビットコインは下落する。貿易戦争が始まれば、主にこれは米中貿易戦争に関するが、ビットコインは上昇を始める。今回のビットコインの上昇はこの理論に当てはまり、1週間以上8000ドル以上を維持し、ビットコインはまもなく9000ドル台で変動すると思われる」との見方を示した。
DAS Index社のトレーダーでアナリストのイリーナ・ユルコワ氏も、フェイスブックが独自ステーブルコインをローンチする計画だというニュースが、ビットコインの上昇の大きな一因だと述べた。「世界的なSNSの巨人による、仮想通貨をサポートして支払手段として利用する計画だとの発表は、仮想通貨に懐疑的な態度を取っていた人全ての気分を正反対の方向に変えた」と指摘した。
ユルコワ氏はしかし、夏季は通常、投資家の活動が低まるため、ビットコイン価格の大幅増は期待すべきではないと続けた。ユルコワ氏は、2020年には2万ドル台に到達する可能性もあると見る。
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