「ベゾスとマスクは自滅的ユートピアを押し付けている」 英国の識者が発言

総合学術誌『ネイチャー』の編集者で、英国人研究者、科学解説者のフィリップ・ボール氏は、スペースX社CEOイーロン・マスク氏とアマゾンCEOジェフ・ベゾス氏の提案する宇宙プロジェクトについて発言した。
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ボール氏は、マスク氏とベゾス氏が提案した火星または月でのコロニー計画、そして、人類の近未来の宇宙での繁栄の約束は、技術的に現実性がなく、人類に自滅をもたらすと危惧感をあらわにし、かえって地球上の生命を守るという現実的な問題の本質をそらせてしまう危険性があると警鐘を鳴らしている。

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ボール氏によれば、研究者たちは、世界的な温暖化に関する今後の地球の環境変化の危険性について、かなりの確率で予想することができる。しかし、地球の彼方に救いの道を見出そうと主張する人たちは判断を誤ってしまう。

なぜなら地球上でカタストロフィーがひとつでも起きれば、火星や月に人工のドーム型のコロニーを建設し移住するというマスク氏とベゾス氏の提案は必然的に非現実的なものとなるからだ。ボール氏は、他の惑星やオニール・シリンダーに自給自足の宇宙コロニーを建設することについては、数世紀後にはじめて議論することができると考えている。

また、ボール氏は、数十億ドルの投資は、マスク氏やベゾス氏の空想的なプロジェクトではなく、たとえば、核融合エネルギー技術などの新しい技術開発に向けるべきで、そうした開発によって、地球全体がクリーンになり、電気の無料化が実現すると確信している。

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