スプートニク日本
スプートニク:今回のシアター・オリンピックスは史上初めて、日本とロシアで共同開催されることになりました。日露共催の意義についてどうお考えですか。
鈴木さん:異なった文化をもつ人たちの理解を促進するには、演劇は非常に良いものです。日本とロシアは、領土問題や平和条約交渉など政治的には大きい問題を抱えています。両国には相互理解が必要ですが、日本には、あるいはロシアにはどんな人々が住み、その人々がどんなことを考えているのか、演劇なら生身の人間と直に接触できるので、相互のイメージを具体的に定着させることができます。演劇人同士は友達になりやすいですし、日本の観客がロシアの俳優と話すこともできます。我々もロシアに行けば現地の観客と接触します。そういった交流により生まれる相互理解は、幅広くはありませんが、重要なことです。ですからロシアと共同開催できるのは、とても良いチャンスであり、シアター・オリンピックスをこのために役立てたいと思います。
スプートニク:シアター・オリンピックスの日本におけるメイン会場は、利賀村ですね。東京や大阪といった大規模な集客が見込める場所でなく、あえて利賀村にしたのはなぜでしょうか。
スプートニク:鈴木さんの演出する作品がいつも全く違って見えるのは、どうしてでしょうか。常に「実験」を続けているように見えますが、何が鈴木さんを絶え間ない創作に駆り立てるのですか。
スプートニク:鈴木さんはロシアの国立劇場で演出をしたり、俳優教育のマスタークラスを開催したりと、日露の演劇界のために貢献してこられました。ロシア人と仕事をする中で、特に印象に残っていることはありますか。
鈴木さん:ロシアの演劇人は、演劇に対して情熱的で真面目、そして魅力的な人が多いですね。私の今までの友人関係からは、そういう印象を受けます。一番思い出深いのは、モスクワ芸術座、タガンカ劇場といった劇場の俳優たちが、利賀村に一ヶ月ほど滞在し、稽古したことです。俳優たちとともに生活し、色々な生活の仕方を垣間見る事ができたのは、とても楽しい思い出です。
6月15日には、シアター・オリンピックスの開会式がサンクトペテルブルクで行われる。日本会場は、利賀村と富山県黒部市の2会場で、公演は8月23日からスタート。大自然の中で、世界の一流演出家の作品を日替わりで鑑賞する事ができる。前売り券の販売は6月30日から。より詳しい情報は第9回シアター・オリンピックス公式サイトをご参照ください。