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インドのビハール州では、ライチの果実を食べた子ども53人が死亡した。通信社PTIは、子どもたちはライチを食べて脳炎を発症して死亡、この状況はインドで脳炎が流行する可能性をつくりだしていると報じている。
専門家らは「熟した」ライチの果実について、食べてはいけないということもなければ、人体にとって危険なこともないと指摘している。唯一の例外は、ライチに対してアレルギーを持っている人だ。
医師らは、子供たちの集団食中毒はライチの有害性と関係があるのではなく、生産者が経費削減のために質の悪い農薬を使用していることに関係があるとの確信を示している。生産者は利益を追求して最も安価な有毒な農薬を使用することが多い。この農薬が果肉にしみ込み、食べることで体内に入る。
脳炎の流行が繰り返し発生しているインドのビハール州ムザッファルプル県は、ライチ栽培で有名だ。ここでは1995年からライチが収穫される夏の時期に病気の発生がみられているという。
2014年には、国際研究グループが実施した調査が英国の医学雑誌ランセットに掲載された。専門家らは、この時期に死亡率が上昇した原因は、非常に危険な毒素を含む「熟していない」ライチの果実にあることを明らかにした。専門家らは、特に15歳以下の子供が空腹時に食べると病気にかかりやすいと考えている。医師らは病気にかかった約400人の子どもを調べたが、感染症の痕跡は見つからなかった。だが、すべての子どもたちの血糖値が低かったという。そして保護者らの話によると、病気になったすべての子供が、病気発症までの24時間以内にライチの果実を食べており、そのうちの多くが空腹時に食べていたことがわかった。なお、ライチを食べる前に食事をしていた子供たちは、病気になる確率が低かったという。
病気の原因が明らかになった後、地元の医師らは保護者に対し、子供たちが空腹時にライチの果実を食べないように気を付け、原則的にライチを食べる量を減らすよう求めた。その結果、子どもの死亡者数は1年間で50人以下まで減少した。
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