北朝鮮で拘束されたオーストラリア人、北朝鮮の恋愛ノベルを研究していた!スプートニク独占インタビュー

29歳のオーストラリア人学生、アレク・シグリーさんが、北朝鮮で拘束されたことがごく最近明らかになった。オーストラリア政府はこの事件の状況解明を試みているが、なぜシグリーさんが、どんな罪で拘束されなければならなかったのか、まだ明らかになっていない。シグリーさんは拘束される直前に、スプートニクのインタビューに答えてくれていた。シグリーさんは、そのインタビューの中で、喜びをあらわにし、希望に満ちた様子で、平壌における学生生活について話していた。
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めったにない機会

シグリーさんは金日成(キム・イルソン)大学で北朝鮮文学を専攻している。修士号獲得のため修士論文を書いたが、そのテーマは「若者の恋愛に関する北朝鮮ノベルの特徴研究」である。シグリーさんは「私は恋愛をテーマにした北朝鮮の現代小説を研究しています。どういう風に若い男女が恋に落ちるのか、お互い相手のどこに惹かれるのか、どういう価値観が二人にとって共通なのか、どんな試練が二人を襲うのか、といったようなことです」と話していた。

シグリーさん「北朝鮮と北朝鮮の文化に興味を持ったので、大学の講義はとても役に立ちます。北朝鮮の視点から、歴史と文化を学ぶことができるのはめったにない機会です。私の先生たちはとても優しくて、先生たちとは、学習の対象となるものについて話しますし、そういったおしゃべりが、その他のテーマにも及ぶことはよくあります。先生たちのうち一人はトルストイの『戦争と平和』を読んでいますし、また別の先生はプーシキンを読んでいます。」

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同じ大学で学ぶ北朝鮮学生らは、シグリーさんと時々オーストラリアに関しておしゃべりをすることがある。シグリーさんは「私の家族が、色々な民族が絡み合って構成されていることが、彼らにとってはとても興味深いのです。私の父は英国とオーストラリアにルーツをもち、母は中国人です。そして私の妻は日本人です。北朝鮮のみんなは、私たちがどういうタイプの家に住んでいるのか、何を食べているのか、興味をもっています」と話す。もちろん北朝鮮の学生がシグリーさん一家に興味を持つのは偶然ではない。北朝鮮では、国際結婚というのはまずあり得ないことだからだ。

充実した食生活のラインナップ

北朝鮮と言えば、常に食糧が足りていないというニュースを目にすることが多いが、シグリーさんや外国から来た彼の友人は、平壌において食文化が急速に発達してきていることに驚いた。シグリーさんによれば、平壌での食の選択肢は多様で、中国の様々な地方の料理や日本料理が楽しめるほか、西側諸国の料理が食べられるレストランも豊富にある。

シグリーさんは陽気に言葉を続ける。「私たちの寮の近くには、なかなか良いスパゲティとコロッケが食べられる店がありますし、ピザやマカロニは、イタリア料理店にも朝鮮料理店にもあります。ハンバーガーやホットドッグ、フライドチキンが食べられるファーストフードもあります。調理分野ではかなり創造性に溢れていて、人気レストランはいつも混んでいます。」


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このインタビューが行われたのはまさにシグリーさんが拘束される直前だった。シグリーさんは、数日後に自分の身に何が起きるのか、このインタビューの時には当然ながら認識していなかった。シグリーさんの友人らは、シグリーさんは週明けに突然、連絡もなくいなくなってしまったと話している。シグリーさんは朝鮮語を自由に話す。そして、西側諸国の旅行者のため北朝鮮ツアーを行なうという自分のビジネスも営んでいる。

多くの西側諸国がそうであるように、オーストラリアは平壌に在外公館を有していないため、スイス大使館経由という限られた外交手段の中で情報を収集するしかない。

思い出されるのは、国際社会を震撼させた、北朝鮮で収監された米国人大学生オットー・ ワームビアさんの事件だ。 当時22歳で、観光旅行で北朝鮮を訪れたワームビアさんは、平壌のホテルで宣伝ポスターを盗もうとした罪で2016年1月2日 に逮捕され、15年の労働教化刑が言い渡された。北朝鮮当局は、ポスターを盗もうとした試みを「敵対行為」とみなした。 彼は北朝鮮で約15か月収監され、獄中で拷問を受けた とみられる。2017年6月13日に昏睡状態で米国に帰国したが、6日後の6月19日、 意識を回復することなく、死亡した

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