シベリアにモルディブ 青い水の湖が火力発電所の隣に出現してインスタが沸騰

2019年夏、SNS上にこの世のものとは思われない鮮やかな青い水をたたえた湖の写真が姿を現した。写真の掲載枚数は日を追うごとに増えていく。この湖はロシアのシベリア地方にあり、湖のある土地は近隣の都市の名前から「ノボシビルスクのモルディブ」の異名を得るまでになった。ところが、この湖の青さは、実は自然の奇跡ではなく、火力発電所から出される排水によるものだったのだ。
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美しいターコイズブルーの湖は、実は火力発電所で褐炭を燃した後に出る灰と鉱さい(スラグ)の廃棄場。シベリア電力会社(SGK)が掘り、工業用水を注いだため、カリウム塩、様々な金属の酸化塩が溶け合わさった。この色が出来上がった、もうひとつ理由は1~2メートルという比較的深い水深だ。

このすべての要素が合わさって、SNSユーザーの注意を惹くような濃い青が出来上がった。

「モルディブ」に放射能の危険?

石切り場の風景、空色の水とわずかな砂、なぜか小型のいかだまでが写された「ノボシビルスクのモルディブ」はすっかりインスタグラム・ブロガーのメッカとなってしまった。地元民の話では、あまりにも大勢の人が一気に訪れたため、近くの鉄道駅では列車の停車を許さず、通過させる措置までとったほどだという。

すると SNS上では「ノボシビルスクのモルディブ」の周辺は放射能レベルが高いという噂が飛び交うようになった。この噂をシベリア電力側は否定し、貯水池は有害物質は含んでおらず、周辺の放射能レベルも「標準」と太鼓判を押している。

湖の写真には最終的にこんなキャプションが書きこまれた。「この世のものとは思われない場所。一度は訪れて心のエネルギーを充電してみて。」もちろんその真逆に「汚染されたモルディブ」、「死の湖」とこれを呼ぶ人もある。そんな喧噪はおかまいなく、SNS上の写真はますます増えている。


この「シベリアモルディブ」だが、写真の中には、鮮やかなターコイズブルーの水で有名な、あの北海道美瑛町の青い池を彷彿とさせるものも見うけられる。

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