美しいターコイズブルーの湖は、実は火力発電所で褐炭を燃した後に出る灰と鉱さい(スラグ)の廃棄場。シベリア電力会社(SGK)が掘り、工業用水を注いだため、カリウム塩、様々な金属の酸化塩が溶け合わさった。この色が出来上がった、もうひとつ理由は1~2メートルという比較的深い水深だ。
このすべての要素が合わさって、SNSユーザーの注意を惹くような濃い青が出来上がった。
「モルディブ」に放射能の危険?
石切り場の風景、空色の水とわずかな砂、なぜか小型のいかだまでが写された「ノボシビルスクのモルディブ」はすっかりインスタグラム・ブロガーのメッカとなってしまった。地元民の話では、あまりにも大勢の人が一気に訪れたため、近くの鉄道駅では列車の停車を許さず、通過させる措置までとったほどだという。
すると SNS上では「ノボシビルスクのモルディブ」の周辺は放射能レベルが高いという噂が飛び交うようになった。この噂をシベリア電力側は否定し、貯水池は有害物質は含んでおらず、周辺の放射能レベルも「標準」と太鼓判を押している。
湖の写真には最終的にこんなキャプションが書きこまれた。「この世のものとは思われない場所。一度は訪れて心のエネルギーを充電してみて。」もちろんその真逆に「汚染されたモルディブ」、「死の湖」とこれを呼ぶ人もある。そんな喧噪はおかまいなく、SNS上の写真はますます増えている。
この「シベリアモルディブ」だが、写真の中には、鮮やかなターコイズブルーの水で有名な、あの北海道美瑛町の青い池を彷彿とさせるものも見うけられる。