金正恩氏の乗るメルセデス・マイバッハS600プルマンガードの価格は、ビジネスインサイダー情報では160万ドル。
高等国防研究センターの調べでは、2台のマイバッハはロッテルダム港から北朝鮮へと運ばれている。時期は2018年6月から10月だが購入者の名前は明らかにされていない。
車はまずオランダから船で中国の大連に送られ、その後、日本の大阪に着いて、韓国の釜山広域市に入った。
釜山でコンテナはDo Young Shipping社の所有する船舶DN5505に積み替えられ、北朝鮮へと到着している。高等国防研究センターはDo Young Shippingのオーナーの名前を特定できなかったものの、これに関連する人物としてロシア人実業家のダニール・カザチュク氏の名前が浮上していることを明かしている。
船舶DN5505は10月1日に釜山港を出帆しているが、その際に中継機のトランスポンダのスイッチを切っている。高等国防研究センターはこうした行為を制裁に違反し、追跡を恐れる船舶の常とう手段と説明している。
船舶DN5505は最終的には韓国の水域で石炭を積んだ状態で発見された。また積み荷の石炭は浦項市の港で降ろされた。
高等国防研究センターのレポートには、石炭はロシアのナホトカ港で積載されたとある。レポートは、トランスポンダのスイッチが切られていた間に船に積載されていたマイバッハがどうなったかは書いていない。ただし、10月7日、ウラジオストクに北朝鮮の国営の高麗航空の輸送機が到着していた。
レポートは「(ウラジオストクに)到着の輸送機と船舶DN5505を結ぶ直接的な証拠は見つけられなかった。だが輸送機の積載量の大きさとこれが金正恩氏の装甲仕様リムジンの輸送に使われていたことを考えると、輸送機が(ウラジオストクで)メルセデスを積み込んだ可能性はある」と書いている。
メルセデスベンツ・ブランドの生産を所有するダイムラー社はこれについて、北朝鮮とは15年以上も関わりをもっていないことを明らかにした。ダイムラー社は購買者への供給は入念に確認作業を行うものの、その転売については責任の範疇には入らないとしている。