下院は、クリス・シュミット共和党議員の提出による修正法案を承認した。修正案には、米軍部が1950年から1975年の時期に生物兵器として感染したダニを用いて行った実験の調査が提案されている。
ここで言われるダニによる感染病とは「ライムボレリア症」または「ライム病」のことで、直ちに正しい診断、予防策を取らなかった場合、皮膚、神経系統、運動器や心臓の機能障害が引き起こされかねない。
シュミット議員は、「メリーランド州のフォート・デトリック(編集部注:生物兵器を研究する米陸軍の医学施設)やニューヨークのプラムアイランド( 編集部注:米農務省の家畜の海外伝染病の研究所)などの政府関連施設で行われた広範な調査の証拠が記された一連の本や記事が存在する」と指摘している。
ガーディアン紙は今年5月に出版された研究者のクリス・ニュービー氏の著書を取り上げている。自身もライム病に苦しむニュービー氏は著書を通じて、なぜ米国でこの病気が蔓延し、毎年40万人もの国民がこれに感染しているのか、疑問を投げかけている。
本にはライム病の発見者であるビリー・バーグドーファーの見解が引用されている。バーグドーファー氏はこの感染病は軍部の実験が失敗した結果、蔓延したと考えている。
捜査の結果、国防総省がライム病を兵器として用いたことが明らかになった場合、国防総省は調査の範囲についての情報を開示し、「この虫が故意にではなく、または実験として実験室の外に出された」と公言することを求められる。
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