日露交流年オートラリー、堂々のフィニッシュ「日本の皆さん、ロシア横断ラリーに来てください」

ロシアの公共団体・マリンアートクラブ主催による日露交流年記念のオートラリーが、14日、モスクワのゴーリキー公園でフィニッシュした。これを受けて18日に記者会見が行なわれ、マリンアートクラブのアナトーリー・ワシーリエフ会長や在ロシア日本大使館の山本敏生公使(広報文化部長)らが参加した。この日露の国境をまたいだオートラリーは、2018年5月26日に始まり、往路に約4か月、復路に約3か月の時間を費やした。訪問都市数は往路50、復路40にものぼる。
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ラリーの目的は、中継地点で様々なイベントに企画・参加しながら、日露間の文化観光交流の促進を行なうことだ。ラリーがスタートした2018年は、ロシア最後の皇帝で、皇太子時代に日本を訪れたニコライ二世が暗殺されてちょうど100年にあたるということもあり、モスクワを東に出発した一行は、ニコライ二世にゆかりのある場所に立ち寄った。また、ロシア武道連盟の協力により、各地で日本文化の真髄を紹介する武道イベントも行った。

当時ブリヤートバレエ団の芸術監督で、現在はニージニー・ノヴゴロドにあるニジェゴロドバレエ団の芸術監督を務める岩田守弘さんも、ウラン・ウデにあるザバイカル民族学博物館における「日本刀鍛錬祭」の開催を手助けした。ラリーのメンバーは、刀鍛冶職人と交流した。

日露交流年オートラリー、堂々のフィニッシュ「日本の皆さん、ロシア横断ラリーに来てください」

9月、ウラジオストクにたどり着いた一行は、東方経済フォーラムにあわせて柔道大会に参加した。その後、DBSクルーズフェリーで韓国を経由し、日本に到着。鳥取県の平井伸治知事らの歓迎を受けた。現地で写真展を共同開催した後には各都市をめぐる旅に出発し、東京の在日本ロシア大使館で往路のフィニッシュを迎えた。

日露交流年オートラリー、堂々のフィニッシュ「日本の皆さん、ロシア横断ラリーに来てください」

復路は今年4月11日にウラジオストクからスタート。ロシアの航海練習船「希望」で日本海を横断して、長崎帆船まつりを見学した。長崎の原爆資料館や平和公園を訪れた後に再びウラジオストクへ戻り、モスクワまでの道を西に向かった。ワシーリエフ会長は「海の男として、長崎の町と帆船まつりの素晴らしさに感動した」と話した。

露日、地域間交流年の実施で一致
全行程に参加したマリンアートクラブのウラジーミル・シェルバチュク氏は「日本は気候も人々も素晴らしく、町はとても美しい。文化・観光を楽しむだけでなく、リサイクル施設も訪れることができ、我々は日本から学ぶものが大いにあると感じた」と話した。また、シュルバチュク氏はロシア東部の道路状況は、一般的に思われているよりもずっと良いと述べ、車でロシアを横断することで、決して他では見られない絶景を楽しめると強調し、日本人にもぜひ自動車でロシアを旅してほしいと呼びかけた。

会見に同席した全ロシア自動車観光連盟のセルゲイ・ロバレフ会長は、「ロシアはアメリカなどに比べてキャンプ施設などの整備が全く追いついていないが、これから自動車による観光分野を発展させていきたい」と話した。

日露交流年は6月29日、プーチン大統領の訪日時に閉会式が行なわれ幕を閉じたが、地域間交流は今後も続いていく。今月13日から21日までは、モスクワにおける「日本週間」となっており、20、21日には、ラリーのフィニッシュ地点となったゴーリキー公園で日本文化フェスティバル「J-FEST」が開かれる。

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