同紙によると、FAAは操縦特性補助システム(MCAS)の独立したリスク評価を一度も行わず、システムに関する情報を実質的に集めなかった。ボーイング社が自らMCASを調べた。
同紙の報道によると、昨年11月に起きたインドネシアのライオン・エア航空機の墜落を受け、FAAのエンジニアは「MCASシステムの完全な分析がなかったことに衝撃を受けた」という。彼らの安全性評価では、システムが航空機の機首を下げることを促進し、航空機制御を妨げる可能性があることは言及されていなかった。
これにも関わらず、FAAは737MAXの運用一時停止命令を出さず、操縦士向けに緊急事態における行動規則について通知を発表した。
ボーイング737MAXの墜落事故
ボーイング737MAXは2度の墜落事故を受けて、米国など多くの国で当面飛行が停止された。3月、エチオピア航空のボーイング737MAXはエチオピアのデブレ・ゼイト近くで墜落し、乗客乗員157人全員が死亡。昨年11月にはインドネシアのライオン・エアのボーイング737MAXが墜落した。
墜落事故を受けて、およそ20カ国が自国領上空でのボーイング737MAXの飛行を禁止。多くの航空会社もこの機体の運用を一時停止した。米国では連邦航空局(FAA)が運用を禁止した。