1999年のある夏の日、ビクトル・モイセンコ氏が幼いユリヤさんと電車で家に帰っている時、彼は不意に眠気におそわれた。
目が覚めたとき、隣にいたはずの娘の姿が見えなくなっていた。
ベラルーシの警察は誘拐されたユリヤさんの捜索を国中で行ったが、しかし、他国には行方不明の少女に関する情報を発信しなかった。
ユリヤさんは、見知らぬ人々と暮らしていたのおぼろげながら記憶している。
彼らは常に街から街に移り住み、物乞いをするようユリヤさんに強制していた。
ある奇跡によってユリヤさんは、モスクワから南東180キロの都市リャザンで養子に迎えられ、そこで善良な人たちに養育されることになった。ユリヤさんは彼らを自分の両親だと思っていたが、かつて彼女に別の家族がいたことを憶えていた。これらの年月、ユリヤさんは本当の両親は自分を捨てたのではないかと不安に思っていた。
自分の過去についてユリヤさんはある日恋人に打ち明けたところ、彼がインターネットで探索に取り掛かってくれた。インターネットで彼は1999年にあったベラルーシでの少女失踪に関する古い記録を発見した。
ベラルーシの人相占いによるユリヤさんの写真調査とDNA鑑定の後、リュドミラ・モイセンコ氏とビクトル・モイセンコ氏の本当の娘であることが明らかとなった。モイセンコ夫婦は希望を失うことなく、20年間捜索を続け、とうとう自分たちの子どもと再会することができた。
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