中国本土初の大物実業家であり、フォーブス誌の表紙も飾った馬氏は、退任後は慈善事業や教育プロジェクトに携わる予定だという。
未来の百万長者は1999年に自身の電子王国を作り始めたが、当時は自己資金も事務所さえもなかった。しかし馬氏は野心に溢れ、自身の企業をアリババと名付けた。無数の宝が眠る洞窟への切符を手にしたアラビア物語の主人公にちなんでのことだ。
馬氏にビジネスの成功がすぐに訪れたわけではない。2002年、アリババグループの純益はたった1ドルだった。しかしその後、創業者である馬氏のアイディアや経営才覚により、グループの利益は急進的に伸びていく。55歳を前に馬氏は4千180億ドル(約4兆5千億円)の資産を所有している。Bloomberg Billionairesによると、アジアでこの数字の上をいくのはインドの実業家、ムケーシュ・アンバーニーのみだ。
ブルームバーグの専門家は、自宅アパートで安いコンピューターを使って仕事をする新人企業家から、電子商取引王へと駆け上がった馬氏の急速な成長は、技術的に遅れた国から世界経済2位に上り詰めた中国全体の進化を反映している、と考えている。