クリル諸島で日本軍が沈めたアメリカ潜水艦、ロシアが引上げ予定

ロシア地理学協会は2020年、第二次世界大戦時にクリル諸島沿岸で沈没したアメリカの潜水艦の引上げ作戦を実施する。作戦にはアメリカの専門家も参加する予定だ。ロシア国防相でありロシア地理学協会会長のセルゲイ・ショイグ氏が明かした。
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謎の潜水艦の発見

2016年6月、クリル諸島マトゥア島(日本名:松輪島)付近の水深104メートル地点でロシアのダイバーらが船籍不明の潜水艦を発見した。アーカイブを調査したところ、これは1944年6月にレーダーから姿を消したアメリカ潜水艦へリング号ということが判明した。潜水艦沈没時、船内には83名がいた。

アメリカ軍は潜水艦を見つけようとしたが、何度か試みを行った後、1944年7月13日にヘリング号は行方不明船として登録された。

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日本の軍事関係者の情報によると、ヘリング号の沈没は1944年6月1日だという。

ヘリング号の調査

2017年11月、ヘリング号の最初の情報が明らかになった。ロシアのダイバーらが水深100メートルの潜水艦地点まで潜り、詳細に船体を調査した。

ヘリング号は日本沿岸部隊に攻撃する時間がなかったようで、甲板上の兵器は戦闘態勢にさえ入っていなかった。潜水艦は海底でほぼ真っ直ぐ位置しており、艦首は変形しているが、これは底にぶつけたためとされている。

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調査グループによると、潜水艦は良い状態にあり、ほとんど崩壊していないという。舵とスクリューも形状を保っている。

潜水艦が位置する正確な座標はアメリカ側に伝えられたが、現在まで引上げはされていない。沈没場所は地図上では集団埋葬地として記されている。

マトゥア島での発見

潜水艦は、マトゥア島付近の唯一の発見ではない。2017年7月、ロシアの調査グループはこの島で日本軍駐屯地の住居跡を発見した。それよりも前、島では日本の航空機も見つかっている

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