日露学長フォーラム、各大学のユニークな取組みを紹介:就職支援やロシア語学科の新設も

23日、第8回日露学長フォーラムと第2回日露大学協会総会がモスクワ大学の図書館で開催された。フォーラムでは、モスクワ大学のヴィクトル・サドーヴニチイ学長、北海道大学の笠原正典副学長の進行のもと、人材交流、医療・健康、地域開発にかかわる各大学のユニークな取組みについて活動状況の発表が行なわれた。
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神戸学院大学の佐藤雅美学長は、学生自らが企画した日露アニメ・オタク文化学生サミットによって学生の距離感が急速に縮まったこと、同様のサミットを国後島や色丹島で実施し、領土問題解決のための相互理解にも寄与していると発表。また、神戸学院大学でインターンシップを行なったロシア人が神戸市の嘱託職員として採用されるなど、ロシアからの留学生にとって理想的なキャリアパスの例について紹介した。

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ロシアとの交流を開始して日が浅い近畿大学もまた、大学と企業を結び付けるアプローチを行なっている。細井美彦学長は、ロシアの基礎科学と日本の応用科学を結びつけた、実学的イノベーションがこれからの地域を支えていくと主張。交換留学により近大で学ぶロシア人学生は単なる企業「訪問」ではなく、一か月の職場体験を行い、日本で働くとはどういうことか、身をもって体験できるシステムになっている。

信州大学と金沢大学もまた、留学生の進路に注目し、2017年から就職サポートプログラムを開始した。日本が好きで留学してくる学生のうち約8割は日本での就職を希望しているにも関わらず、実際に就職できるのは3割にとどまる。留学生はとかく大都市に目が向いてしまいがちだが、日本の地方都市にはグローバル人材を求めている優良企業が多数存在する。そのミスマッチを解消するため、両大学では信州・北陸エリアの特性を活かしたインターンシップを実施し、地域間交流の中心的存在となれる人材を育成している。ロシアビジネスに参入したい地方企業にとっても、こういった人材は貴重なものとなる。

京都外国語大学は、昨年4月に国際貢献学部を設置。より時代のニーズに合った教育を目指している。松田武学長は3年前に参加した日露学長フォーラムが大きなきっかけとなり、来年2020年4月から、外国語学部に10番目の学科であるロシア語学科を設置すると発表した。新設学科の学生たちは、少数精鋭で高度な語学運用能力を身につけ、ロシアや中央アジアの文化を学ぶことになる。

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また、学長フォーラムにあわせ、日露学生連盟の参加者らによる第2回学生フォーラムも開催されている。学生連盟には日露あわせて約60名の学生が参加。神戸学院大の岡部芳彦教授が指導・アドバイスにあたっている。

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日本側の学生代表、神戸学院大グローバルコミュニケーション学部3回生の坂口尚弥さんは、第1回のフォーラムでロシア人とディスカッションしたことで、「日露関係は、自分が思っていたよりもずっと近い」と気付いた。坂口さんは「ロシアに関する有益な情報を広げていくことが僕たちの役目」と話し、今後の活動に意気込みを見せている。

ロシア側の代表はモスクワ大学の医学部を卒業し、現在は医学研究科一年生(※編集部注:日本で言うところの博士課程一年目に相当)のエカテリーナ・ジマコワさんだ。ジマコワさんは昨年、医学研修で新潟大学を訪問した。ロシアと全く違う日本の文化に触れ、研修期間中は新しい発見の連続だったという。

ジマコワさん「日露学生連盟が日露大学協会の一部として存在しているおかげで、私たちは大学からのバックアップを得ることができます。連盟には色々な大学から学生が参加していて、それぞれ医学だったり、生物学だったり化学だったりと、日本との協力において得意分野をもっているので、それを他大学と共有していけるのは素晴らしいことです。もちろん学術分野だけでなく人的交流も大切です。まずは学生連盟として、組織体制をきちんと整えたいと思います。」

日露学生連盟は、近い将来に公式ウェブサイトを立ち上げ、フォーラムの討議内容とその結果も含め、幅広く情報共有を行なって行く予定だ。

北海道大学は、今年5月31日に、モスクワ大学内にモスクワオフィスを開設した。このオフィスは単に両大学の交流拠点になるだけではなく、日露大学協会の活動拠点にもなる。また、ロシア人学生に対する日本留学促進の場でもある。笠原副学長は、「従来の日露学長フォーラムに加えて、日露大学協会という新しいフォーマットができたことで、大学としてコミットし、より組織的に活動していくことができるでしょう。ここには、日露間の協力をより発展させるという強い思いが込められています」と話している。

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