1日目は古代ロシア公を描いた歴史映画『アレクサンドル・ネフスキー』が上映されたほか、大人気のソ連映画『モスクワは涙を信じない』も上映された。ロシアのバラライカ奏者のミニコンサートが開かれ、マトリョーシカを制作するマスタークラスも開催された。
フェスタのメインとなったのは、レアなビンテージのコレクション品から民族的要素のある現代のハンドメイド品まで、誰もが好きなものを見つけられる専門店だった。ユーラシア文化をより身近に感じたい人たちはとても多く、フェスタはオープンと同時に人でいっぱいになり始めた。
ウズベキスタンの店舗の店員によると「頻繁に何か新しいものが出ていないかと聞いてくれる常連客もいます。」「このようなフェスタは旧ソ連の国の文化をあまり知らない人々を新たに呼び込む上で重要です。しかも、フェスタでは気に入ったハンドメイド商品を通常よりも安く手に入れることができます」とのこと。
購入者のなかにはユーラシア諸国の文化に本格的に関心を抱いている人が少なくないことは、ベラルーシの店舗の店員の言葉にも表れている。「もちろん、ベラルーシについて何も知らず、表面的な質問をたくさんする人もいますが、すでに一定の知識を持っていて、とても深く掘り下げる人も少なくありません。日本の人々が何かを徹底的に理解しようとして、「この絵の作者は誰ですか、どういう意味が込められているのですか、どうしてこれはこういう形をしているのですか」といった質問が出てくることにとても驚いています。私たちもそれに応えて、日本の皆さんに分かりやすい言葉でいろいろなことを説明できるように努力しています。例えば、私たちの国の象徴であるヤグルマギクを折り紙でどうやって作るのかをお見せすることができます。」
店舗のオーナーが外国人とは限らない。例えば、リトアニアの店舗で販売員をする日本人女性によると、店のオーナーはかつてリトアニアに留学し、リトアニア人と結婚した自分の娘なのだという。彼女は、リトアニア製品が日本人に人気がある理由について、自身の意見を語ってくれた。「リトアニア製の商品は木からできているものが多く、それは自然に近いということです。これはもちろん日本人にとって近い考え方なので、とても気に入られているのだと思います。」
なかにはフェスタにユーラシア諸国の民族衣装で来場する人も見られた。そうした人の多くにはロシアや旧ソ連国に関心を抱くようになったそれぞれのストーリーがある。例えば、ロスコスモス社のロゴのついた上着を着た女性は、もともとは宇宙に熱中したことに始まって、そこから関心の幅が広がっていったのだと語ってくれた。
「バイコヌールからのロケット打ち上げに2回も行ったことがあります。それが凄く印象に残って、今度も是非行きたいと思います。ソユーズをとても近くで見ることができて本当にびっくりしました。正直に言いますと、ソユーズは可愛いと思います(笑)。他の国のロケットに比べると、形が非常に異なっています。宇宙に夢中で、星の街に行ったこともありますが、赤の広場はまだ見たことがありません(笑)。実は赤の広場も是非見たいですけれど。ロシアでは、特に星の街では、技術と芸術的なところ(例えば、モザイクで作られた絵)が、一緒になっていることに驚きました。日本ではいつも別々になっている感じがします。冷戦時代には、もちろん、ソ連に対していろいろ怖いイメージがありましたが、今はそれが誤りだったと分かってきています。これからロシアでもっといろんなところに行って、旅行したいです。」