これらの開発は、「無線社会と化石燃料からの解放の基盤を築いた」とノーベル委員会は指摘した。
2019年のノーベル化学賞は、米国のジョン・グッドイナフ氏と英国のスタンリー・ウィッティンガム氏、そしてリチウムイオン電池の開発に対し吉野彰氏に授与された。9日、スウェーデン王立科学アカデミーのノーベル委員会が発表した。
リチウムイオン電池は、特にスマートフォンやタブレット、ノートパソコンといった電子機器や家電製品、電動自動車を含めた交通機関で応用された。
この電源の優れた点は、比較的コンパクトでありながら高い充電能力を持つところにある。
リチウムイオン電池の技術的基礎は、1970年代の石油危機の際に築かれた。その際、ウィッティンガム氏は、化石燃料の使用から解放される技術開発に取り組んでいた。その後、グッドイナフ氏はこの技術を改良し、さらに強力な電池を作り上げた。
グッドイナフ氏の研究を基礎に、1985年に吉野氏は初の商業的に有益なリチウムイオン電池を開発した。
「その結果、軽量で耐久性のある電池が生まれ、出力が落ちる前に何百回も充電が可能となった」