米医薬品卸売3社 「オピオイド蔓延」での審理が始まる前に和解金180億ドル支払う意向

マッケソン・コーポレーション、アメリカソースバーゲン・コーポレーション、カーディナルヘルスの米医薬品卸売3社は、米国での「オピオイド危機」における同3社の役割に対して当局側が起こした訴訟を決着させるため、18年間で180億ドル(1兆9570億円)の和解金を支払う可能性について協議している。米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた。
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米国のほぼ全ての州および数多くの都市や地域が、オピオイド系鎮痛剤を製造する会社と薬品卸売会社を訴えた。


オピオイド系鎮痛薬は麻薬性鎮痛薬に分類され、オピオイド化合物は強い鎮痛効果を有している。その他、オピオイド系鎮痛薬は、多幸感や常習性が生じるなどの副作用を引き起こす。


2000を超える訴えでは、医薬品卸売社が処方箋で入手可能な麻薬物質を含むオピオイド系鎮痛薬を過度に宣伝したことや、オピオイド系鎮痛薬の処方に対する不十切な管理がオピオイド依存の拡大につながったと述べられている。

公式データによるだけでも、米国ではオピオイドの過剰摂取により毎日130人が死亡している。複数の推定では、過去20年間で40万人以上の米国人がオピオイドで命を落としている。

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これらの訴訟は、オピオイド依存が蔓延したことによって社会が負担している治療費や、オピオイド中毒の親から生まれた子供の受け入れサービス費用の補償を目的としている。

マッケソン・コーポレーション、アメリカソースバーゲン・コーポレーション、カーディナルヘルスの米医薬品卸売3社は、多額の和解金を提供することで審理が始まる前に訴訟を決着させたい考え。

なお審理には、米オハイオ州での「オピオイド危機」をめぐりすでに和解金として2000万ドルを支払っている米製薬大手ジョンソン&ジョンソンも含まれている。

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