ナウセダ大統領は、「リトアニアと日本は遠く離れているが、両国は共通の痛々しい経験をもっている。両国は原発事故を体験し、事故の影響に直面している。両国の経験は、原子力脅威に対する適正評価の必要性という点で、世界中の教訓となっている。世界はフクシマやチェルノブイリの悲劇から学ばなければならず、両国は原子力の安全保障策を改善し、国際舞台で積極的に、当該地域やEUだけでなく、世界中の安全な近隣権利を示していかなければならない」と述べた。
ナウセダ大統領は会談の機会を利用し、安倍首相に対し、ベラルーシ原発建設に関するリトアニアとベラルーシの見解の相違について語った。
ベラルーシ原発をめぐり、対立するリトアニアとベラルーシ
リトアニアは、首都ヴィリニュスから50kmのベラルーシ・オストロフツエに建設中のベラルーシ原発を激しく非難している。リトアニアは同原発を、国家安全保障を脅かす施設と位置付けている。
現在、オストロフツエのベラルーシ原発の稼働まであと数か月を残すのみ。リトアニアは、自国市場に安い電力を供給していたイグナリナ原発を既に閉鎖済みで、ベラルーシに対してかつてないほど攻撃的な口調で抗議を続けている。