日本を愛する伝説のクラウン、一夜限りの復帰:猫劇場のククラチョフさん70歳記念公演【写真】

モスクワの観光名所である、ククラチョフの猫劇場。猫がサーカスの芸をするという、世界に類をみない劇場だ。この猫劇場の創設者はユーリー・ククラチョフさん。ソ連時代、サーカスのクラウン(道化)として伝説的な成功をおさめた彼は、今もロシアの国民芸術家として愛されている。今年70歳を迎えたククラチョフさんは、15日に記念公演をボリショイ・サーカスで行い、30年ぶりにクラウンを演じた。50匹の猫たちをはじめ、トラ、クマ、ライオン、犬、馬、あしかといった動物や、アーティストのパフォーマンスが一体となり、会場はどよめきと興奮に包まれた。
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ククラチョフさんは日本好きとしても知られている。ククラチョフさんは、昨年11月に、プロジェクト「聖ニコライの道:白樺から桜へ」の枠内で行なわれた日露円卓会議「小さな故郷」に参加し、「日本は、他のみんなが忘れてしまった、尊厳、良心といったものが残っている国であり、最も高潔な国です。日本で正教会を訪れたとき、日本語で祈祷文が唱えられているのがわかり、感動しました」と日本への印象を語った。

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ククラチョフさんの家族は芸術一家として有名だ。猫劇場のあとつぎである息子のドミトリーさんもロシアの国民芸術家で、クラウンとしてのキャリアを積み上げてきた。記念公演では、奇跡の親子共演が実現し、二人のコミカルでリズミカルな掛け合いは、観客の目をくぎ付けにした。

猫劇場で衣装や美術を担当する娘のエカテリーナさんは、サーカス内の大スクリーンを使い、砂絵のパフォーマンスを披露した。サーカス学校時代に知り合い、結婚した妻のエレーナさんも、普段は劇場の裏方に徹しているが、この日は観客の前に姿を現した。

ククラチョフさんは30年以上のブランクと70歳という年齢を全く感じさせることなく、会場中を練り歩き、飛び跳ね、演奏し、観客に風船を取ってあげたり、似顔絵を描いてあげたりと、観客を笑いの渦に巻き込んだ。

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ボリショイ・サーカスの団長からは、レジェンドに敬意を表して、誕生日ケーキのプレゼントが贈られた。

サーカス・アーティストの超人的なパフォーマンスや歌手によるコンサート、漫談まで、公演は4時間にも及んだ。

終了後は、花束やプレゼントを手に、記念撮影や握手を求めるファンがククラチョフさんを取り囲み、ククラチョフさんは一人ひとりに応じていた。

記念公演を鑑賞した日本人は「ロシアのサーカスは、テクニックだけでなく、芸術美が素晴らしい」「空中ショーで命綱がないのは驚いた」と感銘を受けていた。

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