殺人は長い間隠すことにはならなかった
もっとも恐ろしい瞬間からはじめるなら、警察官たちがソコロフ准教授の家に入った瞬間だ。部屋に入ると警官たちは女性の胴体を発見した。この遺体はおそらく教授の24歳の教え子で同居者のもの。
取調べの際、ソコロフ准教授は女性を射殺したことを認め、少しづつ体を切断し川へ運ぶ用意をしていたと語った。しかし、切断した腕が入ったリュックサックが浮いてしまったため、自ら水の中に入らなくてはならなかったのだという。警察官らに呼ばれたダイバーたちは、現場の川底でさらに黒い包みを1つ発見。中には女性の切断された足が入っていた。
地元メディアによれば、その後ソコロフ准教授は、ナポレオンの衣装を纏い、サンクトペテルブルクの主要な観光名所のひとつであるペトロパヴロフスク要塞で自殺するつもりだったという。
逮捕されたソコロフ准教授は、悔い改め、現在、裁判所の判決を待っている。
衝撃 殺人者は学会で尊敬される人物
しかし、ロシア社会へ与えた衝撃は、犯行そのものの事実だけではなかった。1956年生まれのオレグ・ソコロフ准教授は、サンクトペテルブルク大学の歴史学部の准教授で、ナポレオン時代のフランスやナポレオン自身に関する科学論文を発表していたことが判明。
ソコロフ准教授の指導のもとでは、社会的な軍事・歴史運動が取り組まれ、その運動は国内52地域での軍事・歴史クラブのネットワークを形成していた。
この殺人事件はロシア政府にも報告がされた。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領はこの「狂気の残虐行為」について認識していると語った。
「言うまでもなく、この残虐犯罪の動機は、もちろん、文字通り事件を知っているすべての人の心を傷つけた。犯罪の原因はさらに今後、取調べの過程で明らかにされるだろう」。
学生たちはソコロフ准教授について、とても水準の高い専門家だと語った。しかし、同准教授は怒りっぽく、声を荒げることがあったと強調した。
ロシアの『Gazeta.ru』のインタビューにソコロフ准教授を知るある人物は、同准教授は「彼女たちに教育やキャリアを与えた」と称し、繰り返し女生徒たちと個人的な関係をもっていたと語った。