地元マスコミの報道によれば、完全に浸水した中には、べネチアきっての観光名所のサンマルコ広場も入る。
べネチアのルイージ・ブルニヤーロ市長はこの現状をカタストロフィーと呼び、浸水による被害状況は「黙示録的」と嘆いた。水害は電気系統にも甚大な被害をもたらした。ショートした配線によって1人が死亡。あるミュージアムでは電気室の故障から火災が発生している。歴史景観区全体が水の下に沈んだ。これを受けて市長は非常事態宣言の発令を要請している。
イタリア気象庁は数日の間に再び大雨が降ると予報をだしていることから、べネチア市は、極力自宅を離れないよう市民に呼び掛けている。
世界でも唯一の稀有な地形
べネチアは世界でも唯一、中心街の歴史景観区が四方を水に囲まれている、珍しい地形を有している。このため洪水には定期的に襲われてきたが、ここまでの水害は市民の記憶に残る範囲では稀。
1966年、べネチアの水位は194センチも上昇。風速も毎秒41.6メートルを超え、海上はビューフォート風力階級9の大嵐で高い波がしらが立った。建物の1階部分は浸水。多くの家屋が損壊し、美術品も被害を受けた。