水没のべネチア 市長は洪水を「黙示録的」なひどさ 【写真・動画】

記録的な豪雨に襲われたべネチアは町全体が完全に水に覆われた。上昇水位は過去53年で最高の187センチに達した。このおかげで中心街の歴史景観区を含むべネチア市の面積のほぼ80%が浸水した。べネチアの1200年にわたる歴史で中心広場の浸水レベルが1メートルを超したのはこれで6回目。
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地元マスコミの報道によれば、完全に浸水した中には、べネチアきっての観光名所のサンマルコ広場も入る。

べネチアのルイージ・ブルニヤーロ市長はこの現状をカタストロフィーと呼び、浸水による被害状況は「黙示録的」と嘆いた。水害は電気系統にも甚大な被害をもたらした。ショートした配線によって1人が死亡。あるミュージアムでは電気室の故障から火災が発生している。歴史景観区全体が水の下に沈んだ。これを受けて市長は非常事態宣言の発令を要請している。

イタリア気象庁は数日の間に再び大雨が降ると予報をだしていることから、べネチア市は、極力自宅を離れないよう市民に呼び掛けている。

世界でも唯一の稀有な地形

クルーズ船があわや沿岸のカフェに突入 ベネチアで嵐
べネチアは世界でも唯一、中心街の歴史景観区が四方を水に囲まれている、珍しい地形を有している。このため洪水には定期的に襲われてきたが、ここまでの水害は市民の記憶に残る範囲では稀。

1966年、べネチアの水位は194センチも上昇。風速も毎秒41.6メートルを超え、海上はビューフォート風力階級9の大嵐で高い波がしらが立った。建物の1階部分は浸水。多くの家屋が損壊し、美術品も被害を受けた。

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