イランではガソリン代の値上げによりデモ活動が続いていおり、厳しい状況に置かれている。こうした状況を踏まえハメネイ師は声明を公式サイトに掲載した。その中でハメネイ師は、「制裁が中止され、米国大統領が退陣するという希望でもって経済を立て直すような思惑は無駄である」とした。
ハメネイ師によれば、制裁に対する抵抗力を高めることこそ必要な戦略であり、制裁の解除はあくまで一つの駆け引きに過ぎない。
そのうえでハメネイ師は「制裁に動じない体制を作ることが必要だ。現時点でそうした状況にはない」とした。
イランのメディアによると、抗議デモは国内の40以上の都市に広がっている。同国の多くの地域でインターネットの接続、携帯電話での通信が困難になっている。デモの死傷者に関するニュースは出ているが、その数はまだ確定できていない。
2018年、米国が国際的な「核合意」から離脱し、再びイランに制裁を加えたことから、イランの通貨リヤルは下落した。これにより、外国からの投資は減速し、同国の年間インフレ率は4倍になった。
イランは、世界最大の原油生産国の1つで、輸出額は年間約十億ドルに上る。しかし同国は、経済制裁を受けているため、石油基地の交換用スペアパーツを購入するのが難しく、原油精製能力に制限がある状況だ。